三井物産、「軍団長」を自称する新社長の覚悟 「考え抜いて、やり抜いて、結果を出す」

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――今後、事業投資にはますます選択眼が求められてくる。 

ただ単に事業を買うだけなら投資銀行と変わらない。相手に乗っかるだけの投資をやる気はまったくない。その会社を買って、潜在的な成長力をどれだけ上振れさせるかが商社の役割だ。その「上振れ」がない限り、必ず減損にぶつかる。

7つの「攻め筋」として昨年中期経営計画で策定した領域をいかに太く深く攻めていくか。そして、これからゲームチェンジャーとして出てくる案件を見つけて料理していくこと。これこそがまさにわれわれの戦略の核であり、残りの2年間でしっかりと仕上げていく。

社内では「結果にとことんこだわってくれ」と発破をかけている

――社内にはどんなメッセージを発している?

「結果にとことんこだわってくれ」「そのためには人事を尽くせ」ということだ。天命を待つばかり言う人もいるが、やるべきことをすべて考えなかったら、天命なんておりてこない。

私はプロジェクトマネージャーとして日本のコンソーシアムを率い、世界中のお客さんと交渉をしてきた。プロジェクトをまとめるためには、こういう条件だったらメーカーさんや会社の中を通せるという確信がいる。それには、自信や相場観だとか、いろんな感覚や知識、経験が必要となる。冷や汗をかきながら考え抜くのが、私の若いころの楽しみだった。

考え抜いて、やり抜いて、結果を出す

いまの商社の仕事はチームプレーで規模も大きくて、失敗は許されない。君の役割はこの契約書のこの部分だけだよとなって、森を見ることができなくなっている。小さくまとまらずに、どうやったら自分で船を動かしていく感覚になれるか。若いうちから一人で”白兵戦”をやってみることで、初めて人間は鍛えられる。

とにかく考え抜いてやり抜いて結果を出すのが、私の基本的な精神で、それは経営においても同じだと思っている。これまで以上に、どんどん若い人を現場に出していきたい。そのためには、先頭隊長である本部長が率先垂範してそれぞれの部隊を引っ張ってもらわないといけない。

私は先頭隊長の軍団長。全社員の士気を上げてしっかりと仕事をしてもらうのが役割だと思っている。

(撮影:吉野純治)

「週刊東洋経済」2015年4月18日号<13日発売>「この人に聞く」を加筆)

秦 卓弥 東洋経済 記者

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はた たくや / Takuya Hata

流通、石油、総合商社などの産業担当記者を経て、2016年から『週刊東洋経済』編集部。「ザ・商社 次の一手」、「中国VS.日本 50番勝負」などの大型特集を手掛ける。19年から『会社四季報 プロ500』副編集長。21年から再び『週刊東洋経済』編集部。24年から8年振りの記者職に復帰、現在は自動車・重工業界を担当。アジア、マーケット、エネルギーに関心。

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