三井物産、"32人抜き新社長"誕生の理由

資源価格下落で逆風下での船出

4月から新社長に就任する安永氏

三井物産は1月20日、飯島彰己社長(64)が会長に退き、安永竜夫執行役員(54)が新社長に就任する人事を発表した。安永氏は役員序列で32人抜きを果たし、4月1日付けで三井物産トップの座につく。

もっとも、このタイミングでの社長交代に、サプライズはない。三井物産は6年周期で社長交代を行うのを通例としているからだ。2014年6月には、取締役でない執行役員からも社長を選出できるように定款を変更。候補者を若手執行役員にも広げ、社長レースを競わせてきた。

それでも、発表と同時に社内中で「まさか」という声が上がったのは、安永氏があまりに“ノーマーク”だったからだ。

「54歳の若さ」が決め手

飯島社長が「1年前に10人、昨年末に7人まで絞り、9日間の休みで決めた」という中には、事前の下馬評で大本命と言われてきたエネルギー畑出身の加藤広之専務(58)や、化学品畑出身の本坊吉博専務(57)なども、その胸中には残っていたようだ。ただ、最終的に1月15日の大安の日、安永氏へ禅譲の意向を告げた決め手は、「54歳の若さ」だったという。「私も58歳で就任したが、6年経つと、体力気力がかなりキツくなる。6年後の体力気力を、今と同じように維持できる人を選びたい、という視点だった」(飯島社長)。

 安永氏は、三井物産では初の世界銀行への出向や経営企画部長など、幅広い業務を経験している。直近では機械・輸送システム本部長として、ブラジルの貨物鉄道・港湾事業への投資決定なども手掛けてきたが、本流はエネルギープラントの輸出だ。ロシアのサハリン2のLNG(液化天然ガス)プロジェクトでは、1990年3月に米国三井物産のヒューストン支店に出向した初期と2003年のFID(最終投資決定)のタイミングという、2度にわたって携わった経験を持つ。

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