Netflixで「相撲」タブーに挑むただならぬ"覚悟" プロが集まる作品づくりに「ブレーキ役」は不要

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Netflixのドラマ『サンクチュアリ -聖域-』、映画『めんたいぴりり~パンジーの花』でメガホンをとった映画監督・江口カンさんにコンテンツ制作にかける思いを聞きました(撮影:今井康一)
さまざまな分野で先頭を走るフロントランナーたちから時代の切り拓き方を引き出す連載「ココが違う!結果びと」。
今回は5月4日にNetflixで世界独占配信されるとたちまち話題になり、「Netflix週間グローバルTOP10」で6位にランクインした大相撲が舞台のドラマ『サンクチュアリ -聖域-』、6月9日から全国公開の映画『めんたいぴりり~パンジーの花』でメガホンをとった映画監督・江口カンさんにコンテンツ制作にかける思いを聞いた。そこには、国境を越えて世界の人々の心を動かしている理由があった。
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覚悟の塊でタブーに挑む

2023年5月、ゴールデンウィークが半ばに差し掛かると、にわかにネットがざわつきはじめた。「『サンクチュアリ』を観たか」「まだなら、絶対に観たほうがいい」と。筆者も流行に遅れをとるまいと第1話を観たが最後、全8話を一気見し、気がついたときには、江口監督にインタビュー打診のメッセージを送っていた。

なぜ江口監督と制作チームは『サンクチュアリ -聖域-』を世界的なヒットに導くことができたのだろうか。その理由を監督に聞いた(以下、「」内すべて江口監督)。

(画像:Netflixシリーズ「サンクチュアリ -聖域-」5月4日(木)より独占配信)

「この作品は、いろいろな覚悟がなければ実現しなかったと思います。学生相撲を描く映画であれば、体格をそこまでつくる必要はありません。しかし、われわれは『大相撲』というプロの世界をつくろうとしました。これまで誰も大相撲を舞台にした作品を撮ってこなかった一番の理由は、その体格の人たちで芝居をつくることが不可能だったからです。

相撲取りの体格があって、相撲ができて、なおかつ演技ができる。そんなことは不可能だと思いますよね。それを実現させるためにいろいろな議論や試行錯誤をした結果、今回はすでに売れている俳優を真ん中(主役)にはしませんでした。

そうなると、日本のエンタメ業界の常識では、そんな作品は売れっこないと言われてしまう。なおかつ、原作がないものも売れっこないと言われる。『サンクチュアリ』の制作に際しては、最初からこの2つのタブーを破っていく覚悟を持ちました」

次ページ「売れっこない」ならとてつもなく面白い中身をつくる
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