そこで、忙しい教室通いや毎日のペーパー問題の練習の合間をぬって、親は田植えや川遊び、虫取りの日帰りツアーに参加させたり、郊外の自然の中へと連れ出したりする必要が出てくる。子どもは体験から学ぶことで、自分ごととなってアウトプットへとつなげられる。
週末のアウトドアは素敵だが、教室通いの高い授業料に加えて、こうした“本物の体験”を得るための費用もかかってくるというわけだ。
もちろん普段からこうした体験が日常にあるのなら問題はない。都会以外に住む人にとっては、笑いごとかもしれないが、小学校受験が盛んな都心ほどそうした機会は買ってでもしないとできないのが現実である。
そこで子どもが実際に興味を持って楽しんでくれれば、探究心が広がるきっかけになるかもしれないし、家族で過ごした大事な時間として面接で子どもが語れることにもなる。まさに一石二鳥とも言えるなら、買ってでもしたい体験かもしれない。
知識偏重ではなく、体力も忍耐力もある子が求められる
「これまでは小学校受験といえばペーパー問題の難易度を競うイメージを持たれていた。しかし、もう求められているのは単純に勉強ができる子ではないのです。立体的な認識ができたり、思考を広げたりできるかどうか。遊び心を持って挑戦できるような子です。
脳を鍛えるには体を鍛えることが大事、というのも言われています。運動ができる子は体力があり、忍耐力があるので、勉強にも粘り強く取り組めますよね」
そう語るのは、小学校受験のための「お受験じょうほう」サイトを運営するバレクセルの野倉 学氏だ。
VUCAと呼ばれる不確かな時代に、答えのない多くの世界的な課題を解決していかなければいけないと言われているこれからの世代。その子どもたちに求められているさまざまなスキルや力は、まさにこの小学校受験の段階から求められているのである。
5歳や6歳の子どもたちからその力を養成しなくてはいけないのは、必然なのか早期すぎるのか……親の見解が分かれるところであろう。
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