「落ち目のバズフィード」が行きついたAIの使い方 その名も「ボタトゥイユ」は何をしてくれるのか
「崩れかけているソーシャルの波から、高まりつつある生成AIの波に乗り換えるのは、私にしてみればエキサイティングな路線変更だ」と、バズフィードの最高経営責任者(CEO)ジョナ・ペレッティはいう。「技術のトレンドから一段と長続きする価値を確実につかみ取れるようにするために、学べることが間違いなくあると思う」。
バズフィードがいち早くAIの実験に乗り出す一方、多くのメディア企業はAIにどう適応していくべきか思案を続けている。ブルームバーグ、インサイダー、ニューヨーク・タイムズの経営陣はいずれも、AIがもたらす潜在的なメリットと既存事業に対するリスクを天秤にかけている。
リスクの1つとしては、検索エンジン経由でのアクセスが減ることが考えられる。AIチャットボットが検索された質問に直接答えるようになるためだ。そして、記事作成にAIを使った企業の一部では、間違いだらけの記事を公開してしまうといった事態もすでに起きている。
ニュース事業でもAI活用を計画
ペレッティは「バズフィード・ニュース」を4月に閉鎖。バズフィードのニュース部門は「ハフポスト」ブランドの下に整理・統合されている。ただ、バズフィードではAIを使ってニュース事業を強化する計画があると、ペレッティは語った。
検索エンジンに最適化されたヘッドラインの作成や、記事の構成についてのアイデア出しなどにAIを利用することを考えているという。
だが、ハフポストのジャーナリストがAIに置き換えられる未来は想定していないとも話した。「仮に、すべてのジャーナリストをAIに置き換えようとする悪いCEOがいたとしても、大失敗に終わるだろう。ビジネスとして、うまくいくはずがない」。
ペレッティは、AI関連の試みでは、バズフィードがソーシャルメディアとの不均衡な関係から学んだ教訓をいくつか適用しているという。