本当にChatGPTはリサーチャーの仕事を奪うのか AI時代に人間が鍛えるべきリサーチのスキル
昨年から驚異的な進化を遂げ世界に衝撃を与えているのが、ChatGPTに代表されるジェネレーティブAI(生成AI)だ。毎日のように新たなサービスや使い方の情報がもたらされ、ビジネスシーンにおいても「革命的」と歓迎される一方で「仕事がAIに奪われるのでは」という声が聞かれる。これまで人が行ってきた「リサーチ」も、今後AIに代替されるのではないかと言われている領域だ。この3月に刊行された『外資系コンサルのリサーチ技法〔第2版〕』(東洋経済新報社)の編著者でもあるアクセンチュアの上原優氏が、ビジネスパーソンとリサーチの今後を解説する。
ChatGPTに代表されるジェネレーティブAIの普及は、世界的に大きな盛り上がりを見せています。ちょっとした疑問であれば、AIに問いかけるだけで瞬時にそれらしき答えが返ってくるため、あらゆる人間の活動が影響を受けるのではないかとさまざまな臆測が飛び交っています。
「これ調べておいて」がなくなる日
コンサルティング会社では、プロジェクトを開始する際、プロジェクトマネージャーからメンバーに対して「〇〇事業の事業環境、競合の戦略について調べておいて」とか「〇〇というサービスのこれまでのパフォーマンスと成功要因について調べておいて」といったように、基礎的なリサーチをお願いするのが典型です。しかし今後、AIの精度が高まるにつれ、こういった依頼自体、減っていくのかもしれません。
では、何かを調べる際に、人間がやることはなくなっていくのでしょうか?
一口にリサーチと言っても、大きく分けて2種類のリサーチがあります。「探す」リサーチと「作る」リサーチです。
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