低価格販売が強みの中国の電子商取引(EC)大手、拼多多(ピンドゥオドゥオ)は5月26日、2023年1~3月期の決算を発表した。同四半期の売上高は376億3700万元(約7465億円)と前年同期比58%増加。アナリストの事前予想の平均値だった319億元(約6327億円)を上回った。
また、純利益はストックオプションや投資損益などを控除・調整した非アメリカ会計基準(非GAAP)ベースで101億2600万元(約2008億円)を計上し、前年同期の2.4倍の増益を達成した。
この決算が発表されると、アメリカのナスダックに上場する拼多多のADS(アメリカ預託株式)は急騰。26日の終値は前日比19%高で引けた。
「1~3月期は(中国の)消費者の購買意欲の回復が続き、可処分所得のより多くが消費に回った」。拼多多の董事長兼CEO(会長兼最高経営責任者)を務める陳磊氏は決算説明会で、好業績の背景をそう語った。
実際には、拼多多の業績のパフォーマンスは中国EC業界の平均を大きく超えている。中国国家統計局のデータによれば、全国のオンライン小売販売額の増加率は、1〜3月期は前年同期比8.6%、そのうち実物商品のオンライン小売販売額の増加率は同7.3%だった。
「Temu」の貢献はまだわずか
中国のEC首位の阿里巴巴(アリババ)や第2位の京東(JDドットコム)と比較すると、拼多多の好調ぶりはさらに際立つ。アリババは1~3月期の売上高を前年同期比2%、京東は同1.4%しか伸ばせなかったからだ。
拼多多の決算報告書によれば、1~3月期の大幅増収を支えたのは(出店者向けに提供している)オンライン・マーケティングのサービス料と取引手数料の増加だった。具体的には、オンライン・マーケティング・サービス(その他の収入を一部含む)の売上高は前年同期比50%増の272億4400万元(約5404億円)、取引手数料は同86%増の103億9300万元(約2061億円)に達した。
決算説明会では、海外でサービスエリアを急拡大している越境ECアプリ「Temu(ティームー)」に関する質問も出た。それに対して、拼多多の財務担当副総裁(副社長に相当)の劉珺氏は次のようにコメントした。
「Temuはまだ(サービス展開の)初期段階にあり、拼多多の総売上高への貢献度は微々たるものだ。われわれは、消費者が何を求めているかを常に考え、その需要によりよく応えることを重視している。業績の数字は、(消費者にとっての)価値創造の結果として自然についてくるものだ」
(財新記者:包雲紅)
※原文の配信は5月27日
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