資産運用「全然しない人する人」で"7800万円"差も "年収400万円"の共働き世帯で「1億円達成」も

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ケイ:まず、金融資産を見てみよう。

65歳時点で、家族Aは7600万円、家族Bは2800万円、差額は4800万円。どちらもコツコツと積み立てた元本は、35年間の累計で約2800万円とまったく同じ。

差がついた理由は以下の2つだ。

資産形成に差がついた理由
①3600万円分:運用利回りの複利効果の差(家族Aは年率5%、家族Bは同0.01%)
②1200万円分:税制優遇制度の恩恵

アカリ長期になるほど複利効果がすごいって聞いたことがあるけど、やっぱり大きいなあ。そして税制優遇効果の1200万円もあなどれないですね。

ケイ:年率5%の利回りと聞くと、低金利に慣れている日本人は「そんなうまい話があるわけがない」「たとえ過去はそうでも未来はわからない」と考えがちだ。

他人の話を鵜呑みにしないことはとても大切だけど、5%の長期利回りというのは、保守的でも積極的でもない、中立的な数字だよ。

80億人の「世界経済の成長」に乗っかる

ケイ:過去数十年、世界経済は年5%程度で名目成長していて、今後も同水準の成長が見込まれている。これは世界の人口が1%増え、物価が2%上がり、1人ひとりの実質給料が2%上がっていくというイメージだ。

そして最もまっとうかつメジャーな投資方法「世界の株式、国債、不動産などの主要な資産へ、幅広く投資をして、ほったらかしておくこと」なんだ。

世界経済と主要な資産は強くつながっているので、より長期に、より幅広い資産に投資をするほど、投資成績は世界経済と同じトレンドで増えていく。

アカリ:なるほど。つまり、80億人がいる世界経済の成長に乗っかって資産を増やすというわけですね。

ケイ:その通り。株=ギャンブルというイメージを持つ人が多いけど、成長していく世界の優良企業の株などを幅広く長期で持つことは、ギャンブルとはまったく別物だ。

アカリ:たしかに、世界の経済成長に乗っからなきゃもったいないですね! 世界経済の成長を意識しつつ、長期でコツコツ、ほったらかして資産形成することが、お金持ちへの道という気がします。

ケイ:では次に、家族Aと家族Bの65歳時点での、不動産資産の違いを考えていこうか。

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