経済の状況を把握するのに要チェックな日本企業 変化の兆しがいち早く現れる日本企業とは?

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整理すると、

①原材料を採掘する

②原材料を加工して素材をつくる

③素材を加工して部品にする

④部品を組み込んで最終製品をつくる

⑤製品を小売店に並べる

⑥最終消費者が購入する

という一連の流れがあることに気づくでしょう。これは、どのような製品もほぼ同じです。

①~⑤までのところがBtoB(Business to Business)、つまり企業間取引です。もっと言うと、この①~⑤までの取引に適用されている価格を指数化したのが、「企業物価指数」です。

商品の原材料が景気の変動に対して素早く反応する

世界インフレ時代の経済指標
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この流れを見て気づく方もいらっしゃると思いますが、いくらアメリカの個人消費がGDPの60~70%を占めていて、その動向が経済活動に大きな影響を及ぼすといっても、最終消費者の行動によって知らされる景気転換のサインは、極めて遅行的であるということが言えます。

ただし、最終消費者が実際に小売店舗に行って商品を購入する、という行動は景気に対して遅行的だとしても、最終消費者のセンチメントの変化は、景気変動に対して先行的であると考えられます。しかも、耐久財のなかでもスマートフォンやタブレット、パソコンの類は、最も値段が安く、かつ商品サイクルが速いがゆえに、景気の変動に対して素早く反応する傾向が見られるのです。そこで、これらの商品の原材料に当たる「半導体」に注目しているという訳です。

このように、企業活動をチェックすることでも世界の景気の流れを掴むことができます。これからのインフレ時代に備え、大局的に経済を見ることができるようにしておきましょう。

エミン・ユルマズ エコノミスト、グローバルストラテジスト
Emin Yurumazu

トルコ・イスタンブール出身。1996年に国際生物学オリンピック優勝。97年に日本に留学し東京大学理科一類合格、工学部卒業。同大学大学院にて生命工学修士取得。2006年野村證券に入社し、M&Aアドバイザリー業務、機関投資家営業業務に携わった。24年にレディーバードキャピタルを設立し、代表を務める。現在各種メディアに出演しているほか、全国のセミナーに登壇。文筆活動、SNSでの情報発信も積極的に行っている。

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