6万円から買えるGoogleスマホ「Pixel」の実力 AIが代わりに電話に出て「用件を文字に起こす」

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AIの力で言語の壁を超えられるのも、Pixelシリーズの魅力だ。それを実現するのが、「リアルタイム翻訳」という機能。外国語を検知すると、自動であらかじめ設定した言語に翻訳をしてくれる。基本的にはメッセージなどの文字で表示された言語を変換する機能だが、書き起こしの機能と組み合わせることで、動画などの音声の翻訳結果を、画面上に字幕として表示できる。映画につく字幕のような完璧さはないが、どのようなことが話されているのかを理解する手助けにはなる。

内容をつかむには十分な「リアルタイム翻訳」

リアルタイム翻訳機能は、「設定」の「システム」にある「リアルタイム翻訳」で有効化できる。標準で有効になっているはずだが、念のため確認しておこう。動画再生中に字幕を表示させ、外国語が検知されると、自動的にリアルタイム翻訳が有効になる。字幕の表示方法は、動画再生中に音量キーを押し、音量を調整するバーの下に表示される字幕のボタンをタップするだけだ。

これで、動画の音声がまず外国語として書き起こされ、それが設定した言語に翻訳される。例えば英語から日本語に翻訳する場合、まず動画で話された声が英語の文字になり、その下に日本語が表示される。若干のタイムラグはあるが、内容をつかむには十分なスピードで実用的だ。あくまで端末上で処理をしているため、アプリを選ばず利用できる。

字幕機能をリアルタイム翻訳機能で翻訳することで、外国語の動画の内容をつかみやすくなる(筆者撮影)

ただし、自動字幕起こしは検出した音声を常に文字に起こしてしまうため、バッテリーを消耗する要因になる。

先に挙げたような方法で、使う時だけ有効にするのが正解だ。動画などを見終わったら、忘れずにオフにしておくようにしたい。音声を検出し、自動字幕起こしがオンになっていると、通知にその旨が表示される。ここをタップすると一発で設定画面に飛び、機能を切ることができる。

ここで紹介したいずれの機能もAndroid標準のものではなく、グーグルが独自にPixelに実装しているものだ。Pixelは、2021年に発売された「Pixel 6」シリーズから、チップセットを自社で設計したTensorに変え、AIの処理能力を大幅に強化している。通話スクリーニングや文字起こしのような機能を、端末上でより効率的に扱えるようになったのは、そのためだ。こうした機能を活用したい人は、Pixelシリーズへの機種変更を検討してもいいだろう。

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石野 純也 ケータイジャーナリスト

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いしの じゅんや / Junya Ishino

大学卒業後、出版社の宝島社に入社。IT関連の雑誌、書籍を編集する部署で、数々のケータイ関連誌を立ち上げる。独立後は、ジャーナリスト/ライターとして、モバイルに関連した幅広い企業を取材。ウェブサイトや雑誌を中心に、執筆活動を行う。ネットワークから端末、コンテンツまで、モバイルに関する全レイヤーをカバーする。主な著書は『ケータイチルドレン』(ソフトバンク)、『モバゲータウンがすごい理由』(マイナビ)。iPhone、スマートフォン関連の解説書なども、多数手掛けている。

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