日本の「薄型テレビ販売1位」中国メーカーの正体 東芝テレビ事業買収、シャープと明暗分かれる

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2018年、2022年とサッカーワールドカップの公式スポンサーに就き、日本では三浦知良選手をアンバサダーに起用、調査会社イプソスによると、日本での認知度は2021年の38%から2022年には43%に上昇した。

スポーツマーケティングでは各国人気の競技とタイアップする現地化を進めており、2023年はプロ野球横浜DeNAベイスターズのスポンサーに就任、WBC優勝で一段と盛り上がる野球人気を追い風に消費者への浸透を図っていく。

「海外ブランドに不安を持つ消費者と、商品を扱う販売店に少しでも安心してもらう」(李社長)ために、商品にはほかのメーカーより長い3年保証をつけている。こうした努力が徐々に実を結び、ハイセンスブランドも販売台数のシェアでパナソニック、ソニーと3位争いをするところまできた。

「日本ブランド」気にしない若年層取り込む

アメリカ、オーストラリア、ベルギー、韓国勤務を経て日本のトップに着任した李社長は、「日本の家電メーカーが1980年代から世界的ブランドとして君臨する中で、日本人消費者の品質への要求も世界トップレベルになり、日本市場は海外ブランドにとって難易度が高い市場」と指摘する。

2000年代に入ると日本メーカーの勢いは弱まり、レグザ、シャープ、三洋電機の白物家電などが中台メーカー傘下に入ったが、それでも「全体でみると日本の消費者の日本ブランド志向は依然として高く、日本ブランドしか使いたくないという人も多い」(李社長)。

ハイセンスは薄型液晶テレビ以外にもさまざま手がけている(撮影:尾形文繁)

ただ、若年層はブランド選択で国を気にする傾向が薄れ、中国ブランドも以前より受け入れられるようになっているという。

ハイセンスグループはレグザを「収入が比較的高い年配消費者向けのミドル~ハイエンドブランド」、ハイセンスを「コスパを重視する若い消費者向けのミドル~ハイエンドブランド」と区分して展開しており、ネットやSNSの口コミで情報を入手・比較して商品を選択するZ世代の台頭が、ハイセンスのシェア拡大の一因になっている。

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