(ティムから)新参者が古株社員にやり込められる、という避けて通れない問題を回避するために、マークとベン・ホロウィッツ(共同創業者)は、互いを論破する際の決まりを作った。
マーク:ベンが新しい案件を持ち込むたびに、私はコテンパンにやっつける。
これまで聞いた中で、最高のアイデアだと思うこともあるかもしれない。でも、あえてそれをぼろくそにけなすことで、他の人の支持を集めようとするんだよ。
それでもなお、ベンが机を叩くほどの勢いで、最後まで「いや違う、大事なのはこれなんだ」と自分の主張を押し通してきて初めて、私たちは参りましたと伝えるんだ。しっかりやれよ、とね。
これがいわゆる、私たちの会社で取り入れている「賛成はしないけれど、コミットする」っていう文化なんだ。
一応言っておくけど、ベンも私にまったく同じことをしてくるんだ。まるで拷問だよ。
マークがアピールしていた言葉
(ティムから)マークは自身のツイッター上のプロフィール欄に、「揺るぎない考えを、いつでも手放せるようにしておく」というフレーズを長い間載せていた。
どういう意味か説明してもらった。
マーク:多くの人は、物事に対する揺るぎない意見を持たずに人生を歩んでいってしまう。それどころか、他のみんなが正しいと思うことに、進んで同調までしてさ。
創業者、そして投資家だったら、みんなが思っているところから離れたところにあるもの、つまり常識とは真逆にあるものを、見つけたいって思っているんじゃないかな……。
そして、仮に新しい会社を作ってみよう、投資してみようと思ったときに、揺るぎない信念を持つに越したことはないんだよ。
だって、ものすごく膨大な時間とお金――もしくはその両方かな――をそこに費やすことになるんだからさ。
だけど、もし世界が変わってしまったらどうなる? 予想もしなかったことが起こってしまったら?
(ティムから)ここで「いつでも手放せるように」というフレーズが意味を持ってくる。
どんな人でも、いったんこうと決めたことを変えるのを嫌がる。けれど新しい情報を頭に入れて、他のものを取り入れる準備をしなければならない。
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