ネットスケープ創業者「安易なピボット」に苦言 シリコンバレー伝説の存在のユニークな頭の中

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マーク:企業が生き残りをかけて必死に戦っている中で、彼らにとってのいちばんのテーマが、自分たちの製品を適正価格で売っていないっていうことなんだ。

シリコンバレーにはびこる、成功したいのならばできるだけ安い値段をつけろ、そうすれば誰でも手に入れることができる。その結果需要が増えて供給が拡大するだろう、という定説にみんな踊らされているんだよ。

迷路に迷い込んだウサギになるな

それで失敗する人たちを、いやというほど目にしてきた。

「あなたの商品は、お客がお金をもっと出してでも買いたいって思うようなものじゃないんですか?」って聞きたいね。

私は古いタイプの人間だからね。私が生きてきた世界では、みんなが成功を求めていた。

私が初めて会社を設立したときには、まだ、ピボット(戦略の変更)、といった聞こえの良い言葉は存在していなかった。

それを表す単語が見つからなくて、単純に失敗と呼んでいた。同じことが多くの企業に当てはまるんだけど、彼らに会うたびに、軌道修正ばかりしてるんだ。

そうやって毎回新しいものに飛びつく様は、迷路に迷い込んだウサギと言ってもいい。

1つのことに向き合って、答えを出す時間を割こうともしなければ、うまく落としどころを見つけようともしないんだから、決して1つのところに収まることなんてないだろうね。

情熱を傾ける人に賭けてみる

私たちの会社では、ゼネラルパートナーはみんな、他の同意なしで、新しい案件に取りかかれる権限が与えられている。

その案件にいちばん深くかかわっている者が、積極的かつ前向きに取り組み、情熱を傾けているのであれば、私たちはそれに賭けてみるべきだと思うんだ。

たとえその部屋にいる残りの人間みんなが、そんなバカなアイデアは聞いたことがないとあきれていたとしてもね。

ただし、ストレステストなしで、完全に自分の思いどおりに事を進めることはできないよ。

必要であれば、その案件に反対する対抗勢力(レッドチーム)を作って、徹底的に議論するんだ。

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