がんの多くは「腸に何を入れるか」で予防できる リスクを「上げる食品」と「下げる食品」とは

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

果物には果糖が含まれていますが、果物の成分の80~90%が水分のため、果糖の量は多くはありません。果物の果糖は腸内で吸収されるとすぐに分解され、代謝されてブドウ糖になりますが、腸からブドウ糖を直接吸収するのに比べると、血糖値の上昇やインスリン分泌を刺激しません。

果糖の代謝量には限界があり、一定以上の果糖が腸内に流入すると小腸で分解ができず直接肝臓に到達します。肝臓で代謝される果糖は、脂肪の合成を刺激します。果物から吸収される低濃度の果糖と、清涼飲料水などから吸収される高濃度のブドウ糖果糖液糖の果糖では、後者の方が肝臓への負担、脂肪の合成量が高くなります。

そして、果糖には「発がん作用」があることも示されています。小腸で吸収しきれなかった果糖は大腸に到達し、リーキーガット(腸もれ)を誘導、慢性の炎症を引き起こし、大腸がんをはじめとする様々ながんのリスクにつながります。

がんのリスクを爆上げする食品③:人工甘味料

多くの清涼飲料水、調味料などに使用されている人工甘味料は、甘みを感じる舌の味蕾を刺激しますが、砂糖と比べてカロリーがほとんどないこと、砂糖に比べてコストが抑えられることから使用量は年々増加しています。主な人工甘味料はアスパルテーム、アセスルファムK、スクラロースなどです。

多くの人工甘味料はカロリーゼロとうたわれており、腸から吸収されないため体にとっては無害と考えられています。しかし実際は吸収されなくても腸内細菌の組成を変え、糖尿病などの代謝異常を体に引き起こします。

そして人工甘味料の摂取とがんの関連もわかってきました。10万人以上のフランスの疫学的研究からの結果です。アスパルテームとアセスルファムKの摂取は、全がん罹患のリスク、肥満関連がんのリスク、特に乳がんのリスクの上昇を認めています。

もちろん単回の使用でがんになるということはありませんが、繰り返し食べたり飲んだりしているものに人工甘味料が入っている場合は、考え直す必要があります。

がんのリスクを最小化するもの①:食物繊維

では次に、がん予防にプラスになる食品は何でしょうか? 

一言でいうなら「野菜・果物」です。免疫力を高く保つには「腸内の善玉菌」の存在が重要ですが、「善玉菌」は食物繊維が好物です。

食物繊維をもらえなかった場合、善玉菌の量は減少し、食物繊維をエネルギー源としなくても栄養を得られる細菌が増加します。これらの細菌は腸の表面を覆う粘液をえさにします。粘液は腸の細胞に直接食事物や腸内細菌や毒素などが接しないように腸内を保護する作用がありますが、病原性の高い細菌なども簡単に腸の壁を越えて体内に侵入してしまいます。

次ページ水溶性食物繊維が特に豊富な食材は?
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事