がんの多くは「腸に何を入れるか」で予防できる リスクを「上げる食品」と「下げる食品」とは
がんのリスクを最小化するもの③:きのこ
きのこにはβグルカンと呼ばれる食物繊維が大量に含まれ、免疫力を活性化してがんや感染症から体を守ります。体内でがん細胞を発見するマクロファージやがん細胞を殺傷するナチュラルキラー細胞を活性化させる働きや、がん細胞増殖の抑制をするインターフェロンの分泌を促す作用もあります。きのこであればどんな種類のものでも効果は期待できます。また、抗アレルギー効果、抗菌抗ウイルス効果、抗うつ、抗高脂血症、抗糖尿病、血圧低下作用なども確認されています。
がんのリスクを最小化するもの④:発酵食品
発酵食品は、含まれる善玉菌により腸活効果があります。胃酸で大部分が死滅するため実際に腸に到達する菌はわずかですが、腸の中で短鎖脂肪酸を増やしたり、悪玉菌と競合して排出したり、腸に働きかけて抗菌物質を産生させます。
乳酸菌は、動物の腸管内や口腔内に存在する動物乳酸菌(ヨーグルト、チーズ、乳酸菌飲料など)と、野菜果物などに付着している植物乳酸菌(キムチ、漬物、みそなど)がありますが、その菌がその人にとって好ましいものであるかどうかは、実際に腸内に入ってみないとわかりません。
動物由来の乳製品を摂取し始めたのは戦後になってからですので、遺伝子や世代間を引き継ぐ基本的な腸内細菌はそれほど変化していないと考えられます。日本人が安心して摂取できる発酵食品は、植物乳酸菌の作る麹、みそ、醤油、納豆、ぬか漬けなどです。これらは毎日積極的に摂取すべきなので、その質には十分に注意する必要があります。
麹で作る発酵食品は、体内での消化・吸収を促進し、発酵過程で必須アミノ酸やビタミンB群など多くの有効成分を作り出し、腸内での善玉菌の繁殖を助け、腸内環境を改善します。麹に、塩や醤油、玉ねぎなどを加えれば、添加物フリーでうま味たっぷりの安全な発酵調味料が作れます。
高濃度のイソフラボンが乳がんのリスクを下げる効果が期待されますが、一年かけて完成される「天然醸造のみそ」に限られます。市販の多くは、アルコールや酵母エキスなどを添加し、約3ヶ月で発酵させて作ります。そして、風味を整えるためにアミノ酸、砂糖、カラメル色素、保存量、香料などが添加されます。購入の際はしっかりと確認して本物を選んでください。
乳酸菌や酵母が増殖し、乳酸やアルコールが作られ独特の風味を持ちます。米ぬかに含まれるビタミン、ミネラルとともに、発酵する微生物もビタミンを合成します。特に一番含まれている乳酸菌は、腸管粘膜の表面を保護するムチンの合成を誘導し、病原体やウイルスの侵入を阻みます。
以上のことを知識として持ち、100%守ることは難しいかもしれませんが、がんになる確率を最大限に下げるために、80%気をつけるというマインドが現実的でしょう。
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