ヤマダにジョイホン…「スマートIC」の誘致力 スマートICが街づくりの起爆剤となるワケ

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写真からも規模の大きさがわかる建設工事中のジョイホンパーク吉岡(写真:ジョイフル本田)

今年3月、所用があって関越道の駒寄PA(群馬県)に設けられた「駒寄スマートインターチェンジ(スマートIC)」で一般道に降りてみて驚いた。

広大な駐車場を擁した大型の量販店がまもなくオープンを迎えようとしていたのだが、驚いたのはそのスケールの大きさである。

1つは、「ヤマダデンキTecc LIFE SELECT 前橋吉岡店」(2023年4月14日開業)。ヤマダデンキは群馬を発祥とするわが国最大手の家電量販チェーンで、群馬県内での出店自体は驚くことではないが、このTecc LIFE SELECT 前橋吉岡店は、LIFE SELECT店舗の中でも日本最大級の規模を誇る。

LIFE SELECTは、家電にとどまらず、インテリア、リフォーム、家具、生活雑貨などを揃えるヤマダデンキの新コンセプトの店舗で、当然規模は大きいのだが、中でも前橋吉岡店は店舗面積1万4000m2、駐車場も平面で600台と広く、道路から見ると駐車場のはるか向こうにようやく店舗が見えるほどの規模である。

開業1カ月前のジョイホンパーク吉岡(2023年3月 筆者撮影)

そして、それに隣接する形で2023年4月26日にオープンしたのが、「ジョイホンパーク吉岡」だ。茨城県土浦市に本社を置くホームセンターチェーンのジョイフル本田が運営する初の大型ショッピングモールで、ジョイフル本田を核として飲食店や書店、診療所など40を超す専門店が入る。

敷地面積およそ13万m2、店舗面積およそ3万6000m2、駐車可能台数は2000台を超す(一部は従業員用)というメガモールで、店舗デザインの総合監修は、日本を代表するクリエイティブディレクター、佐藤可士和氏が率いるSAMURAIが担当している。ジョイフル本田のフラッグシップ(旗艦店)という位置づけである。

過去5年の人口増加率、群馬県で1位

駒寄スマートICがあるのは、北群馬郡吉岡町(厳密には、一部は前橋市域にかかっている)。このスマートICは2005年から社会実験として利用を開始し、1日の利用台数が2000台を超すなど全国の実験対象の中でもトップクラスの利用台数となり、翌2006年に正式に供用が開始された。

そして、2021年7月から大型車の利用も可能となったことで、通常のICとほぼ同等の利便性を有するようになっている。

吉岡町の人口は、およそ2万1000人。実は、2020年の国勢調査では、過去5年の人口増加率が群馬県の全市町村で最も高い3.5%となっているのだ。

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