ヤマダにジョイホン…「スマートIC」の誘致力 スマートICが街づくりの起爆剤となるワケ

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県央の2大都市、県都前橋と交通の要衝である高崎に隣接してベッドタウンとなっていることが増加の主な理由だが、巨大店舗のオープンにより周辺から買い物客を吸引するパワーを持つようになってきている。

なお、ヤマダデンキ Tecc LIFE SELECT 前橋吉岡店の向かいには「ツルヤ 吉岡店」が店舗を構えるが、ツルヤは長野県小諸市に本社を構え県内に70店舗以上を出店するスーパーマーケットで、こちらも400台の駐車場を持つ。

3月時点のジョイホンパーク吉岡の案内。まだテナントなどが書かれていない(2023年3月 筆者撮影)

一気に増えたスマートICの周辺に

このような大型店の出店を支えているのが、鉄道の駅が1つもない吉岡町の玄関の役目を果たしている駒寄スマートICである。

スマートICは、高速道路の開通後、低予算で高速道への出入りを可能にするために比較的簡易な工事で設けられるもので、駒寄スマートICの供用開始と同じ2006年に全国各地で本格的に運用が開始されている。

当初は、通行できる時間帯が限られていたり、大型車が通行できなかったり、片方向しか利用できない「ハーフ」インターチェンジだったりするなど、既存のICの間の出入りを助ける補助的な役割にすぎなかった。

それが近年、多くのスマートICが車種にかかわらず24時間利用できるようになったこともあって、スマートICの周囲が開発されるケースが目立ってきている。

東九州道「上毛スマートIC」の出口(筆者撮影)

ちなみにスマートICには、駒寄と同様にSAやPAに併設されるところも多いが、これまで高速道路の施設がなかったところに本線直結でつくられたものもある。

そんな本線直結型のスマートICの1つ、関越道の「坂戸西スマートIC(埼玉県坂戸市)」を通過する際には、高速道路の両サイドに巨大な物流倉庫が立ち上がっているのが見て取れる。

大和ハウス工業による複数のテナント入居を想定した、複数のマルチテナント型物流施設が威容を誇っているほか、企業の物流センターもあり、関越道でここを通るたびに施設が充実してきていて目を見張る。

今年1月にもDPLⅡという敷地面積が5万km2に迫る4階建ての物流施設が竣工。カフェテリアや保育施設などが設けられており、通勤用に近隣の駅から送迎バスまで走らせている。まさに、スマートICが新しい街をつくっているような印象である。

また、同じく関越道の「高崎玉村スマートIC(群馬県高崎市)」周辺でも、すぐ脇に2026年度開業を目指す「農・食・遊び・健康」をコンセプトにした大規模なパーク型商業施設の開発計画が進んでいる。

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