そんなこともありつつ、2021年7月に正式に入社。社員になった今ではすり合わせが無駄に終わったことを若干ボヤく菅沼さんではあるが、口ぶりとは裏腹に、面接などを経るなかで「この会社で基幹職になりたい!」という気持ちは日に日に増していった。
そして、組織体制の変更などもあり、同年の10月からマネージャーになった。
「もちろん、昇進試験を受けました。限られた時間の中で猛勉強。短期間でTOEICや論文などもぎゅぎゅっとやって。1年かけて勉強することを3~4カ月でやるわけなので、まさにお受験みたいな感じでしたね」
もともとポーラを退職した際、菅沼さんは昇進試験の結果が出るのを待っているタイミングだった。時間をかけて考え、覚悟を持って転職した当時は「ポーラに戻るなんて思っていなかった」が、出戻り時には「この会社でチームをもって、仲間と仕事をしたい!」と思って、昇進試験を自ら受けた。外に出ることで、いかに会社のよさを知ることができるのかが、よくわかるエピソードだ。
メンバーが壁にぶち当たる場面も理解できる
そんな彼女は現在、ブランドクリエイティブ部のチームリーダーとして活躍している。リンクルショットやホワイトショットといったブランドのスキンケア・メーク品の開発を担うチームで、新入社員から40代の社員までいる、6名のチームだ。
前述したとおり、規模の大きな会社であるポーラだが、現在、社内では部門の壁を越えてさまざまな従業員のスキルを活用していくスキルシェアの有志グループもあり、アウトプットを最大限高める組織体制と1人ひとりの能力を生かす風土が根づいているという。
そんな特長的な環境の中、菅沼さんは、メンバーがどのような場面で壁にぶち当たるかも理解できるという。
「一度会社を辞めた自分だからこそ、プロパーの人が悩むポイントがわかるんです。会議が多いとか、資料が多いとか、昇進試験が大変だとか。でも、そこを俯瞰して見ると、そんなに悩まなくていいと思えるようになって。
社外を知っているからこそ、『この資料はそこまで作り込みすぎないでいいよ』『だけどここだけは押さえてね』と言えたり、解決する手段の提示の仕方が増えました。無駄な業務や会議なども断捨離してあげる。資料も自分で作り込むことはしないで、みんなで骨組みを作るようにしました。
あとは、頑張っていることをしっかりと認めること。方向を微修正するように力になること。同じ会社にいながらもブレイクスルーできるよう、考えています」
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