長年勤めた会社を辞めて、外で試行錯誤した経験が、彼女のマネジメントにいい影響を及ぼしたのだ。
「もし部下や後輩が転職したいと言ったら」
なお、本連載では、「もし部下や後輩が転職したいと言ったらどう接しますか?」と尋ねることがある。「出戻り転職をしたから得られたものがある」と話した人に対し、「そもそも転職したくない会社のほうがいいのでは?」と聞く、いわばやや性格の悪い質問なのだが、菅沼さんの場合はその辺りもひと味違うらしい。
「私は『辞めないで』とは言わずに、普段から私は『もし辞めたくなったときは教えて! そのときはいいエージェントを紹介するから!』って言っています。働くって楽なことじゃないので、辞めたくなる瞬間って誰にでも、いい会社だとしてもあると思うんです。そう思うこと自体が悪いわけじゃないよなって。
でも、将来に不安を抱いてるときに、1人で悩むのはつらいから、私が相談に乗ることができれば、気が楽になるかなって思っているんです。まあ、私に相談するときには、もうすでに転職することを決めちゃってる場合もあるんですけどね(笑)」
会社を変えることによって、得られる経験は異なってくる。異なる経験をすることにより、これまで気づくことができなかったその会社のいいところや、自分のキャリアに対する希望が明確になってくるものだ。菅沼さんの場合、とくに周囲と協力しながら働くチームワークの大切さを実感した。
そう考えると、この出戻り転職は彼女にとっても会社にとっても、必要なものだったのだろう。
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