5300万貯めた元工場勤務員「意味のない節約法」 通勤時間を増やしてまで家賃を下げる事の是非

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使えるお金が限られている子ども時代こそ、欲しいものが気になってしょうがないものだ。あればある分だけお金を使いたい時期なのではないだろうか? かおるさんは物欲とどう向き合っていたのだろうか。

「私は本当に周りを気にしない性格でした。だから、はやりや周りに影響されて何かを欲しいと思ったことがありません。中学生時代にはポケモンカードや遊戯王カードがはやっていて、男の子はほぼ全員何かしらのカードをやっていたんですよ。でも私はまったく興味がなくて、『お前だけじゃない? カードを何もやっていないの』と言われていました。でもカードに興味もないし、たとえお金を出したとしても、欲しいカードが出るとも限らない仕組みに対しても疑問だったので、一切やらなかったです」

前回の記事で語っていた節約の秘訣「周りの意見に流されない」につながるメンタルが、この時点ですでに形成されている。周りに流されない、自分軸で判断するというのは、お金を貯めるうえで重要な価値観だ。

節約家インタビュー
今回もくらま(右)がかおるさんに節約の極意を聞きます(東洋経済オンライン編集部撮影)

もちろん、かおるさんだって、まったくお金を使わないわけではない。ゲームは結構好きだったそうだ。欲しいゲームを買うときは、中古屋を何軒も巡って、できるだけ安く買うようにしていた。

「あと、私が通っていた学校ではみんなで貸し借りをして楽しんでいました。だからゲーム1つを貸す代わりに、みんなのいろんなゲームを借りられたので十分に遊べました」

子ども時代に漫画やゲームは友人たちと貸し借りをして、自分が買ったもの以外でも楽しみを得ていた人は多いだろう。「喜びは分け合うと増す」とよく言われているが、周りと協力し合って楽しみを増やすことは、節約でありながらも豊かな体験だと感じた。

楽しいことには惜しみなくお金を使う

とはいえ、大学生や社会人になると、使うお金の額は桁が違ってくる。人付き合いにかかるお金はどう考えていたのだろうか。

「私は昔から、自分が一緒に遊んだり飲みに行ったりしたい人たちとの付き合いについては、お金を惜しみません。むしろ日頃節約をしているからこそ、予算を気にせず参加できます」

しかし、気乗りがしない付き合いや飲み会は一切参加しなかったという。といっても、最初から飲み会の誘いを敵視しているわけではない。

「最終的にストレスで辞めた工場の飲み会も、最初は参加していました。同僚と仲良く楽しく付き合えたら一番いいわけですから。でも働いているうちに、人に怒鳴り散らす上司のパワハラ、モラハラが横行している現状を知って、それからは飲み会に一切行かなくなりました」

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