有名観光地ばかり旅行する人が見落とす重要視点 「違った街」で「いつものこと」をする効用

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「少し遠く」に見つける「好きな場所」はお店でも、公園でも、美術館や博物館や動物園のような施設でも、なんでもいい。自分が暮らしている街の、いつも出かけているところとは「違う」場所を探検して、好きなところを見つけること。これが「小さなひとり旅」の第一歩なのだ。

旅先では「いつものように」過ごす

「小さなひとり旅」をするのが好きになると遠くの街に出かけたときの楽しみ方もぐっと増える。遠くの街に旅に出かけたとき、人間はほとんどの場合、「観光」する。きれいな景色が有名な場所に行ったり、歴史的に有名な出来事が起きた場所に行く。古い建物のある場所や、公園や博物館や美術館などに行く。もちろん、僕もこういった特別な場所に行くのも嫌いじゃない。

しかし、ほんの少しでいいと思っている。なんだか、有名な観光地を回っていると、みんなが行ったことがある有名な場所を自分もチェックして満足しているようで、疲れてしまう。パリで凱旋門を目にしたときも、北京で天安門広場に行ったときも、写真で知っている通りのものがそこにあるのを「確認」しただけで、あまり大きく気持ちが動かなかった。

だからある時期から、僕は旅先でほとんど「観光」しなくなった。いつもと同じように仕事をして、本を読んで、食事を取り、ランニングをする。それでも、場所が違えばその体験は違ったものになる。いつもと違う仕事の仕上がりになるし、心に響く文章も変わる。おいしいと感じる食事も違うし、いつもと違う街を走る楽しさがある。この「違い」を楽しむのが旅のおもしろさだ。

そしてこの違いを味わうには、誰かと行くよりもひとりで行くほうがいい。誰かと行く旅も、もちろん楽しいのだけれど、それは多くの場合、その人とのコミュニケーションを楽しむための「旅」になる。でも、もし「違い」をしっかり味わいたいなら、絶対にひとりで旅に出たほうがいい。

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