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テレ東の新人局員が叩き込まれる「制作の真髄」 低予算だからこそロケで局員を徹底的に鍛える

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  • 鎮目 博道 テレビプロデューサー、顔ハメパネル愛好家、江戸川大学非常勤講師
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『出没!アド街ック天国』では、タレントが食レポをすることはほとんどありません。お金がかかるからです。関東を中心にありとあらゆる街を歩いて「街情報の専門家」と化したスタッフが、「自分の足で稼いできた情報の鮮度」だけで勝負しています。この番組の「料理のブツ撮り」は、徹底的に美味しく見えることにこだわっていて、そのクオリティの高さは業界内では有名です。

「志は高く、カメラは低く」……伝説の番組『ギルガメッシュないと』の初代プロデューサーの名言で、テレ東の社員なら誰もが知っている言葉だそうです。

もともとは「女性はローアングルで撮影したほうがセクシーだ」という意味だったのですが、いまテレ東では新人たちに、「取材先に対しては、いつでもフラットに目線を低くして臨まねばならない」という意味合いで、この言葉を教えているそうです。

テレビ東京の人たちは「ロケ至上主義」だからなのか、とても人格的に温厚な、いい人が多いと感じます。

テレビ東京はなぜオンリーワンなのか

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そしてテレ東には、「他局のほうが上手にできることは他局に任せる」という文化があると思います。ずいぶん前ですが「ワイドショーは任せた。バラエティは任せろ」というテレ東の広告を見たことがあります。「どのチャンネルを見ても同じ」ではテレビはつまらないですよね。

自分たちができること、やるべきことをよく理解していて、自分たちの個性を大切に育ててきた社風が、テレビ東京をオンリーワンにしているのです。

テレビ東京だけでなく、ほかの民放各局やNHKにも、ぜひ「自分たちにしかできないこと」と「自分たちがやるべきこと」をもう一度よく考えてほしいと思います。

そうすることによって、日本のテレビがもっと個性にあふれる面白いメディアになり、再び存在価値を上げることができるのではないでしょうか。

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