「飲み会でビールを頼む人」が知らない危険な真実 「少量のお酒なら健康にいい」は間違っている!?

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ウォッカは無色透明で、バーボンは赤みを帯びた色をしています。その色味の違いで何が変わるのかというと、アルコールの製造過程で生じる副産物の量が変わります。

バーボンにはアルコール発酵の過程で生じる副産物が、ウォッカの37倍も含まれます。ローズノウ博士らはこうした化合物が悪酔いの一因ではないかと考察しています。
『脳には妙なクセがある』より

同じように、蒸留酒よりも醸造酒のほうが、水とアルコール以外の副産物(不純物)が増えるといわれます。つまり、透明のお酒よりも色のついたお酒のほうが、蒸留酒よりも醸造酒のほうが二日酔いになりやすいと考えられるのです。

家ではビールか日本酒、外ではワイン?

透明な蒸留酒の焼酎は二日酔いになりにくいといっても、量を飲めば、二日酔いにもなれば、健康も害します。

結局のところ、どんな本にも書かれているとおり、「適量」が大事。その目安は、浅野拓先生も紹介しているとおり、1日にビールなら中瓶1本、日本酒なら1合、ワインならグラス2杯程度です。

少ないと感じるでしょうか? いつも、つい飲みすぎてしまう……という人のために、飲みすぎないためのお酒の選び方のヒントをくれるのが、食生活ジャーナリストの佐藤達夫さんの『外食もお酒もやめたくない人の「せめてこれだけ」食事術』(ウェッジ)です。

佐藤さんは「家ではビールか日本酒、外ではワインかウイスキー」がいい、といいます。なぜでしょうか?

ビールや日本酒はお互いに「注ぎ・注がれ」ということが多い。そのため、外で大勢で飲んでいると自分で飲んだ量がわからなくなり、つい飲みすぎる。家で飲むときには「何本飲んだ」と計算がしやすいため、けじめがつく。
『外食もお酒もやめたくない人の「せめてこれだけ」食事術』より

一方で、ワインやウイスキーは、レストランなどで飲むときには「注ぎ・注がれ」ということはあまりなく、自分のペースで飲みやすいものです。だから、注がれて、つい飲みすぎるということは比較的少ない。ただ、家で飲んでいると何杯目かわかりにくく、ダラダラと飲みすぎてしまいやすい、と。

飲みすぎた日のことを思い出して「確かに!」と思う人は、「家ではビールか日本酒、外ではワインかウイスキー」にして自分のペースで飲むようにしてみてはいかがでしょうか。

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