眠りが浅い人ほど「酒をやめた」ほうがいい理由 飲んだ翌日疲れるのは「夜間低血糖」が原因かも
酒飲みを襲う「夜間低血糖」のキケン
お酒を飲む人のなかには、自分でも気づかないうちに「夜間低血糖」を起こしている人もいる。
夜間低血糖になると、寝ているあいだに低血糖が起こり、質のいい睡眠がとれないため、寝ているのに疲れがとれない、朝起きられない、翌日の仕事のパフォーマンスに悪影響を与える(会議中に眠気が襲ってくる人もいる)など、日常生活に多くの支障が出てくることがある。
酒を飲むと、糖新生という糖質以外の物質からエネルギーをつくる流れがうまくいかず、低血糖になりやすくなる。それが寝ているあいだに起こるのが、夜間低血糖というわけだ。
お酒を飲むと爆睡できる、気持ちよく眠れると思っている人は、実はまったくの思い違いをしている可能性が高い。もしかすると夜間低血糖になっているのかもしれないのだ。
酔っ払って駅のベンチや道端で寝ている人もいるが、ただ酔っ払っているのではないのかもしれない。低血糖が起こり得る危険な状況は、体のなかでアルコールを分解しているあいだずっと起こっている。大量にお酒を飲んで寝ると、かなり長時間、低血糖のリスクにさらされていることになる。
夜間低血糖が起こると、交感神経が優位になる。寝ているのに力が入ってこわばっていたり、歯ぎしりをしたりして、まったく体は休まらない。なかには朝起きると筋肉痛があるという人もいるほどだ。飲んだ翌日に疲れがとれない、体がだるい原因の1つが夜間低血糖なのである。
2011年の9月、ヨーロッパの糖尿病学会で、重篤ではない夜間低血糖がある場合の個人の生活、健康などに及ぼす影響についてネット調査した報告があった。
その結果は、大部分の人の睡眠の質に影響があり、13%の人は睡眠の途中で目覚めてしまう(中途覚醒)と、眠れなくなってしまった。さらにその翌日には、22.7%の人が遅刻や終日勤務ができない状況になり、31.8%の人が会議や作業を休むなど、仕事への悪影響が出たという。
それだけではなく、低血糖そのものへの恐れや、「二度と目覚めることができないのではないか」といった恐れ、不安、罪悪感を覚えた人もいた。体のみならず、精神的な影響も大きいのである。
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