「外出自粛の長期化」が日本人に招く3大弊害 夜眠れない人ほど「コロナ感染リスクが高い」訳
東京オリンピックは無事終了したものの、感染力が強い新型コロナウイルスのデルタ株が猛威をふるい、五輪開催中にコロナ患者数は爆発的に増え、患者数は過去最多を記録しました。
本稿執筆時、東京、大阪など緊急事態宣言は9月12日までの予定ですが、今後、患者数が急に減少するとも考えづらい。飲食店の営業時間、酒類の提供などの制限、会食、旅行、外出の自粛は、今後もしばらくは続くと考えたほうが良さそうです。
外出するな、人と会うな。結果として、家に「巣ごもり」するしかありません。しかし巣ごもりしていれば、「健康の不安」はなくなるかというと、私はむしろ逆だと考えます。多くの人は「巣ごもりしていれば、コロナ感染の心配は減らせる」と考えているでしょうが、残念ながらそれは間違いであることを科学は証明しています。
「巣ごもりの長期化」がもたらす弊害について、最新のデータを元に考えてみましょう。
弊害その1:運動不足でコロナ死亡率が倍に
運動不足の人は免疫力が低下する。これは、昔から言われてきたことです。しかし、新型コロナウイルスに対しては、実際にどうかという検証、研究はありませんでした。
なにしろコロナのパンデミックが起きたのは、2020年の春のこと。そこから1年以上が経ち、ようやく運動不足とコロナウイルスの深刻な関連を示す論文が出てきたので紹介します。
『英国スポーツ医学ジャーナル』誌に掲載された運動量とコロナ感染についての研究によると、運動不足群(週10分以下の運動)は活動群(週150分以上の運動)に比べ、入院率は2倍以上、ICU使用率は1.73倍、死亡率は2.49倍になりました。さらに、運動不足群は、基礎疾患(糖尿病、高血圧、心臓血管疾患、がん)や喫煙、肥満よりも、死亡リスクが高くなったのです。
糖尿病や喫煙が、コロナの重症化リスクや死亡リスクを高めることは、すでにご存じの方も多いでしょう。しかし本研究では、「運動不足」がそれらの既存の危険因子を上回る重要な要因であることを示したのです。
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