「外出自粛の長期化」が日本人に招く3大弊害 夜眠れない人ほど「コロナ感染リスクが高い」訳
睡眠不足が生活習慣病やメンタル疾患のリスクを高めることをご存じの方も多いでしょうが、コロナ感染においても、睡眠不足は危険因子となることが示唆されています。
アメリカ、イギリスなど6カ国の医療従事者3000人を対象に行われた研究によると、睡眠時間が1時間増えるごとに、感染確率は12%低下しました。
西野精治氏(スタンフォード大学教授)らによる、睡眠の質とコロナウイルス感染の関係を調べた調査(対象10000人)によると、睡眠の質の指標となる「睡眠偏差値」は対照群の50.2に対して、「新型コロナウイルスの疑いによりホテル療養を行った人」は36.2と有意な「睡眠の質」の低下が認められました。また、ホテル療養者の42%に「睡眠時無呼吸症候群の疑い」の所見が認められました。
以上の研究・調査から、睡眠の質が免疫力を低下させ、コロナ感染のリスクを高める可能性が示唆されています。
弊害その3:睡眠不足の人はワクチン効果が激減
睡眠不足の弊害はまだあります。
最近は日本でも新型コロナワクチン接種が進んでいますが、睡眠とワクチンは極めて重要な関係があります。
インフルエンザワクチンの研究において、「4時間睡眠群」と「8時間睡眠群」とで、ワクチン摂取後の抗体価の上昇を調べたところ、「8時間睡眠群」では十分な抗体価の上昇を認めたものの、「4時間睡眠群」では免疫反応は非常に弱く「8時間睡眠群」の約50%にとどまりました。
睡眠時間が足りていない人は、ワクチンを打っても抗体価が上がらない。つまり、十分な免疫力を獲得できないということ。A型肝炎やB型肝炎のワクチン接種でも同様の研究があります。
世界的に権威のある『ランセット』の呼吸医学版に、2021年3月に掲載された総説でも、「睡眠不足は新型コロナウイルスのワクチン接種における効果を低減する」可能性が示唆されています。
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