「圧倒的に信頼される人」が相手に使わない言葉 科学が証明「モチベーションを高める」伝え方

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このことから、適宜フィードバックをし、好意的な評価を伝えていくことがいかに大切かがわかると思います。

仕事の指示だけでは、なかなか相手は動いてくれないものです。面倒がらず、感謝の気持ちはどんどん伝えていきましょう。

「ストーリー」があれば一体感は生まれる

今一緒に働いている相手は、経緯の違いはあれど、基本的には面接などを受けて「働きたい」と思って集ったメンバーのはずです。

そこには、多かれ少なかれ、「役に立ちたい」という思いがあります。

それなのに、「関係ない」と部下を阻害して仕事を進めるのは危険です。
相手に無力感を抱かせ、やる気を失わせる原因にもなるからです。

すべての事情を話すわけにはいかなくても、ぜひその仕事の「ストーリー」を伝えてみてください

私たちは、「ストーリー」が大好きな生き物です。小説、映画、アニメなど、私たちは確実に「ストーリー」に心を揺さぶられてしまいます。

逆に考えれば、「ストーリー」にできれば、普段の仕事も「心揺さぶられるコンテンツ」になるといえるのです。

なかでも、人の感情を大きく揺さぶってきた「ストーリー」には、法則があります。

この法則を私は「ストーリーの黄金律」と名づけました。

【ストーリーの黄金律】
①何かが欠落した、もしくは欠落させられた主人公が
②なんとしてもやりとげようと遠く険しい目標・ゴールを目指して
③数多くの障害・葛藤・敵対するものに立ち向かっていく

そんな「ストーリー」を仕事にあてはめることができれば、組織に一体感が生まれます。

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たとえば、今月これだけの結果を出さなければならない、というとき。それを一方的に伝えるのではなく、今までの経緯を伝えた上で、「困難を乗り越えて目標達成するストーリー」の中にメンバーを巻き込むのです。

そうすることで、メンバーは「自分たちのストーリー」と認識でき、その「ストーリー」を前に進めるために協力するようになるでしょう。

信頼というのは、心が動いたときに生まれます。

きちんと相手が「自分のことを見てくれている」「考えてくれている」と実感できてはじめて、この人に付いていこうと思うものなのです。

川上 徹也 コピーライター、湘南ストーリーブランディング研究所代表

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かわかみ てつや / Tetsuya Kawakami

大阪大学人間科学部卒業後、大手広告代理店勤務を経て独立。50社以上の企業の広告制作や各種プロジェクトに携わる。東京コピーライターズクラブ新人賞、フジサンケイグループ広告大賞制作者賞、広告電通賞、ACC賞など受賞歴は15回以上。中でも、企業の「哲学」や「理念」を1行に凝縮して旗印として掲げる「川上コピー」が得意分野。「物語」の持つ力をマーケティングに取り入れた「ストーリーブランディング」という独自の手法を開発した第一人者として知られ、現在は広告にとどまらず、「企業」「団体」「地域」などが本来持っている価値を見える化し輝く方法を、個別のアドバイスや講演・執筆を通じて提供している。著書は累計13万部突破の角川新書バカシリース(『物を売るバカ』『1行バカ売れ』『こだわりバカ』)をはじめ計24冊。海外(台湾・韓国・中国)での出版も翻訳中も含め15冊を数える。

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