「圧倒的に信頼される人」が相手に使わない言葉 科学が証明「モチベーションを高める」伝え方

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これには、「コミットメント」が関係しています。

「コミットメント」とは、「責任を持って関わる」という意味です。

つまり、患者さん自らが能動的に、約束に対してコミットした結果であると考えられます。

人間には、自分から能動的にコミットしたこと(やります! 守ります! と言うこと)は、できるだけ守ろうとする「一貫性の原理」があります。

頼みっぱなしではなく、相手が「やります」と言うまでが部下への指示だと心得ておきましょう。

小さな感謝を忘れてはいないか

あなたは部下に対して日頃どれだけ感謝を伝えていますか?

とっさに「なぜ感謝しなければいけないんだ」と感じた人は要注意。

そんなあなたの本音を、部下は見抜いているかもしれません。

組織のルールが守られない場合は、そんな不満が原因かもしれないからです。

アメリカのノースショア大学病院で、とある実験が行われました。

ICU(集中治療室)には部屋ごとに洗面台があり、消毒液が置かれていました。近くには「手洗いを忘れないで」という注意書きもあります。

ですが、それを守ってくれる人は驚くほど少ない状態でした。

そこで、まず洗面台の近くに監視カメラを設置し、24時間監視しました。
これは隠しカメラではなく、スタッフもその存在は知られています。にもかかわらず、手洗い率は10%未満にとどまり、ほとんど改善しませんでした。

そこで、別の方法を考えました。スタッフの行動に対して、すぐにフィードバックがあるようにしたのです。

具体的には、部屋ごとにモニターを設置し、「現在の手洗い達成率」の数値を表示するようにしました。スタッフが手洗いをするたび、その数値は上がっていきます。

さらに、手洗いをすると「よくできました!」などの好意的なコメントが表示されるようにしました。

すると、劇的な変化が表れます。なんと、約4カ月後、手洗い率は一気に81.6%になり、約1年半後の調査でも、87.9%に維持されていたのです。

このように、各自の正しい行動がその場で「可視化」され、さらにその場で肯定されると、人は繰り返しその行動をしてくれるようになります。

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