「図太さと謙虚さ」を使い分ける人こそ幸せな訳 自己啓発書を80冊書いた歯科医が説く人生の価値

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幸せになるために余計な謙遜はしなくてもいい(写真:Xeno/PIXTA)
医療技術や再生医療の進歩によって、人生100年時代といわれるようになった。60代で勤めている会社をリタイアしたとしても、それからおよそ30年以上の人生を生きることになる。そうした人生の後半を、どのように生きたらよいのか。
歯科医でありながら、これまで自己啓発の本を80冊書いてきた井上裕之氏は、幸せで充実した後半生を送るためには「バランス」が大切だと説く。それも面積(時間)ではなく、深さ(充実度)でとらえるべきである、と。最新刊『人生の黄昏を黄金に変える「賢者のかけ算」』から一部抜粋、再構成してお届けする。

価値ある人生にまず必要なのは「バランス」

私は北海道の帯広で歯科医として活動するかたわら、おもにビジネスパーソンに向けて、自己啓発の書籍を出版してきました。

私がこれまで著書やセミナーで語ってきた内容は、おもに「潜在意識」を活用して、いかに「価値ある人生」を送るかということ。そのベースになっているのは、私自身が学んできた自己啓発の先達たちの知恵です。

人生100年時代、より充実した、幸せに満ちた「価値ある人生」を過ごしたいという気持ちは誰でも一緒でしょう。だとしたら、「人生の価値」とは何なのでしょうか?

まず最初に思い至るのは「バランス」です。いくら事業で大成功を収めようと、莫大な富を築こうとも、家庭に問題があったり、自身の健康が損なわれていたら、幸せな人生にはなりません。

仕事、健康、人間関係、家庭、お金……人生のあらゆる分野において、「バランス」がとれてこそ、「価値ある人生」を実現できるといえるでしょう。

ただ、バランスをとろうといったとき、何かひとつをとったらほかの何かを犠牲にしなければいけない、と思いがちです。

たとえば、仕事をとことんしているとき、家庭や家族に向き合う時間を犠牲にしなければいけない、と考えてしまう人は少なくないでしょう。

家族との時間をとれば、仕事にかけるエネルギーはそのぶん減ってしまうと思ってしまうのです。

しかし、家族を大切にするのは、何も長い時間をかければよいというものではありません。

家族やパートナーが大切にしている重要度の高いものをしっかりとやりながら、ほどほどの距離と節度をもって接する。そのほうが家族とも深い関係を築けるのです。

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