「図太さと謙虚さ」を使い分ける人こそ幸せな訳 自己啓発書を80冊書いた歯科医が説く人生の価値

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ひとつのことを大切にしたら、ほかの何かを犠牲にしなければいけないと考えている人は、人生を「割り算」のように考えています。

まるで1枚のピザをどの角度で切ったらいいかとでもいう具合にです。ひとつの面積を大きくとったら、ほかは小さくなってしまうという固定観念があるのです。

私は自分の娘が中学に進学した頃から、ほとんど一緒に暮らしたことがありません。中学・高校の頃は別々に暮らす生活でしたし、それから娘は歯学部へ進学、卒業後は海外に留学していたので、ときおりラインやメールでメッセージを交換することが続いていました。

しかし、同じく歯科医を志している娘とは、一対一の人間として伝えることは伝え、ときに深い話になることもあります。一緒にいる時間は短くても、家族として共有するものはとても大きいのです。

人生を豊かにするバランスのとり方とは、けっして「割り算」ではありません。それは「かけ算」なのです。

仕事を充実させるからこそ、家族との関係もそのぶん濃厚になっていく。あるいはプライベートを誰よりも豊かに過ごしていく人は、それによって質のよい仕事もできるものです。

バランスのいい人生を考えるうえでの3本柱

さて、それではバランスのいい人生を送るためにはどうすればいいのか。私が考える3本柱を、ご紹介しておきましょう。

1.ミッションとビジョンを明確にする

ミッションとは、「自分は何のために生きているのか?」「自分にとって価値あることとは何か?」という自分の生き方の軸になる「目的」です。

ビジョンとは、自分の理想。ミッションが達成されたときに自分がどんな様子を迎えているのかを鮮明に描くのがビジョンです。

理想はつねに成長していくものです。ですから、ミッションもビジョンも、ともに終わりなく、それをかなえるために目標をもつのが大切です。

たとえば私は「世界でいちばん理想的な歯科医になる」というミッションをもち、「多くの患者さんが安心して治療を受けることのできる環境をつくり、社会貢献している自分」というビジョンを描いていました。

ミッションとビジョンを明確にすることを、私は「マインドマップを確立する」と表現していますが、マインドマップのないまま生きるのは、目的地を決めないまま街をさまよい歩いているようなもの。骨折り損のくたびれもうけになることは目に見えています。

どうやって人生を拓いていけばいいのかわからないという人も、自分はついていないと苦悩している人も、まずはマインドマップという自分の軸を明確にすることが大切。たとえ道は遠くても、マインドマップを確立していれば、確実に理想の人生へ向けて歩むことができるのです。

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