丁寧な日本人が「使えない」とされる決定的瞬間 日本式「報告・連絡・相談」はくどい?

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外国人とのビジネスシーンで「日本人がやりがちなタブー」とは?(写真:itakayuki/iStock)
職場やビジネスで外国人と接する機会が年々増えてきましたが、知らずのうちに相手をいらつかせてはいないでしょうか?
シンガポール、アメリカ、日本の3カ国を拠点に24年間働き、現在は、マイクロソフト シンガポール アジア太平洋地区本部長として活躍する岡田兵吾氏(著書に『武器になるグローバル力 外国人と働くときに知っておくべき51の指針』がある)に、「日本人がやりがちなタブー」と、その乗り越え方について聞きました。

海外では、日本人について「NATO」と呼ぶ声があるのをご存じですか。

これは「No Action, Talk Only」のこと。つまり「話してばかりで実際のアクションはない」という意味です。「日系企業からの視察の人に会うのは無駄だ」という人もいるほどです。

日本企業にありがちな傾向として、兎にも角にも視察し、それを持ち帰って上司と熟考に熟考を重ねるという文化があります。さらには、会う人会う人が裁量権を持っていないので、「ビジネスはスピードが命」と考える外国人からすると、まどろっこしい限りです。

このように、日本人と外国人のビジネスの感性には、大きなズレが存在します。にもかかわらず日本企業は海外に進出しても、ご当地のお家事情にまったく関せず、日本式ビジネスを貫くケースがよくあります。グローバル社会の常識や事情をわざと無視しているとしか思えない人も少なくなく、現地の社員などはよく「日本企業あるある」に悩まされています。

日系企業志望者は、少ないという現実

海外の現地採用でなかなか優秀な人が集まらず、採用しても1年ほどで次々に辞めてしまうのも、「日系企業あるある」の1つです。

日系企業は、海外では就職先として人気があります。とくにキャリアの浅い若手からは、ビジネスマナーや品質の高い仕事をきちんと学べることが評価されているようです。

しかし、現地採用した若手はよく、一人前になった頃に辞めてしまいます。日系企業を1年ほどで辞めたあと、彼らは海外グローバル企業に転職していきます。言葉を選ばずに言えば、日系企業は「踏み台」になっている現状があると言えるでしょう。

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