丁寧な日本人が「使えない」とされる決定的瞬間 日本式「報告・連絡・相談」はくどい?
かくいう私も、海外に転職したとき外国人上司から「お前の弱点は話が長い」と指摘された経験があります。
ダラダラ話す人は、経営トップ層など多忙な人から見れば「自分の時間を無駄に奪う人」であり、「話を整理できない頭が悪いやつ」とみなされます。
海外グローバル企業では、英文は「シンプルイズベスト」が基本。ただし、やみくもに文を短くすればよいわけではありません。限られた文法と語彙だけで英文を構成する、いわゆる「グロービッシュ」は短いフレーズが多いのですが、TPOによっては短い文章はぞんざいで失礼な表現になってしまいます。
日本式「報告・連絡・相談」はクドい
話し方といえば、日本人が重視する「報告・連絡・相談」。もしこれをグローバル社会でそのままやるとほぼ間違いなく不評を買います。
海外グローバル企業では、誰もが非常に忙しいということを前提に、「上司が5分で読める内容を15分で作成する」ことがスタンダードとなっています。
日に600件を超えるメールをさばいているような上司も多い中、こまめに報告するのは上司の仕事の邪魔になりかねませんから、あまりにこまごまとレポートすると鬱陶しがられるのも当然なのです。
そもそも海外グローバル企業では、管理職でなくても担当領域に関する決裁権を持たされている場合がほとんどです。ですから、よほどのことでなければ上司に相談することなく仕事は回せます。やたらとホウレンソウしなくても、自分で意思決定しながら仕事を進めていくことが可能なのです。
日本でいう「報・連・相」が海外企業で必要になるのは、実は上司のほうです。
それがまさに該当するのがジュニアマネージャーです。部下が困っていることがないかどうか、定期的に部下に歩み寄って様子を見ることが義務になっています。つまり上司から働きかけて「報・連・相」の内容を引き出すのが海外グローバル企業のマネジメント法なのです。
海外では、リーダーは仕事を洗い出し(Clarify)、周りに指示を出し(Command)、進捗をチェックする(Check)という「マネジメント3C」で部下の状況を把握するのが一般的だと言っていいでしょう。
もっとも、部長職などを束ねる上位のマネジメントの場合は状況が異なります。ある程度の役職にある人はそれなりの権限を持っていますから、少し上司の関与度が下がります。
もし「外国人上司とやり方が合わない」といった問題に直面した場合は、まず外国人上司が求める仕事の進め方や報告の方法を確認することが必要でしょう。上司が望むやり方に合わせるのも1つの方法ですが、上司に自分が求める仕事の進め方を伝え、お互い歩み寄り、妥協点を探ってもいいのです。
グローバル社会では「異なる意見を持つこと」「異なる意見を出し合うこと」はまったく問題ありません。早い段階で、仕事の進め方などについて上司に確認し、話し合いの中で問題を解決していきましょう。
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