丁寧な日本人が「使えない」とされる決定的瞬間 日本式「報告・連絡・相談」はくどい?

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もちろん、辞めていく人たちには悪気はまったくありません。彼らは、自分のキャリア構築のために必要な転職をしているだけです。

筆者が現在働いているシンガポールの就職・転職市場の状況はというと、

1)最優秀層は、政府系に就職
2)次の層は、自ら起業
3)その次の層は、海外大手グローバル企業で働く
4)さらに次の層は、海外中堅グローバル企業で働く
5)大手日系企業を志望するのは、その次の層

つまり、すでにある程度のキャリアを積んだ優秀な人材は、なかなか大手日系企業を選ぼうとはしないのです。そして、キャリアの浅い若手を採用して育成しても、スキルを身につければ、よその会社に転職してしまいます。

日本企業のやり方では、海外で優秀な人材は雇えないのです。私は、日本企業は海外企業と比べるといまだに年功序列の色合いが強く、「若手には若手なりの業務や待遇を」と考えがちではないかと感じています。しかし働くほうからすれば、自分のキャリア構築を考えたとき、「まだ若い」というだけの理由で権限を与えられない会社に長くいたいとは思わないでしょう。

いい人材を雇いたいなら、会社はそれなりのベネフィットを提供する必要があります。金銭面の条件はもちろんですが、重要なのは働きがいを感じられる職場かどうか、権限を持ってキャリア構築に寄与するような仕事をさせてもらえるかどうかです。

日本人がやりがちな「相手の気分を害する言動」

外国人と仕事をすることになったものの、英語が苦手で困っているという方は少なくないでしょう。しかし「英語がうまく話せない」ことを気にするあまり、うっかり外国人の気分を害する行動をしてしまうことは避けなくてはなりません。

よくあるのは、英語が苦手だということを相手に伝えようとして「I can’t speak English well.」と言ってしまうことです。日本人の「謙遜」は、外国人には通用しません。自信がなさそうな態度や恥ずかしそうな態度は、時に相手を不快にし、信頼感を損なう結果を招きかねません。

また、日本人文化として、メール文章を「丁寧に長く書く」傾向があります。用件だけを書くと、ぞんざいで失礼な文章に見えてしまうからなのですが、外国人からすると、「ダラダラ書かれていて、何が言いたいかわからん!」となってしまっているのです。

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