「図太さと謙虚さ」を使い分ける人こそ幸せな訳 自己啓発書を80冊書いた歯科医が説く人生の価値

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3.自分の視野を広げる

生きるうえでのバランス感覚は、自分だけの狭い世界のなかで育むことはできません。視野を広げ、世の中にはいろいろな価値観をもつ人がいるということを知ったうえで、自分を客観的に見る必要があるのです。

そのためには、できるだけ多くの人に触れてみること。たとえば私はニューヨークへ留学したとき、現地で知り合った歯科医たちが一様に人生をエンジョイしていることを知り、仕事がすべての自分はまだまだスケールが小さいと痛感しました。いまにして思えば、変化したいというワクワク感を覚えた瞬間に潜在意識が活性化していたのです。

とはいえ自分になかった価値観に触れ、憧れを抱くことだけがすべてではありません。「こうはなりたくない」と感じる人との出会いもあることでしょう。それもまた、経験です。

私たちは、人と関わることで心の引き出しを増やしていきます。心ない言葉を投げかけられて自分が傷つくことによって、人の痛みを知るという引き出しを増やす、空気を読むという引き出しや、人の目線で物事をとらえるという引き出しを増やすといった具合に。

そのうえで、「自分はどうだろうか?」と客観的に自分を見つめることによって、バランスのよい人間関係を習得していきます。

視野を広げて社会を見つめることの意味はここにあります。「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」というのは、心理学者アルフレッド・アドラーの有名な言葉ですが、視野を広げて社会を見つめ、人間関係を整えることが、バランスのよい人生を生きることに直結しているのです。

「図太さ×謙虚さ」で物事はうまくいく

それでは、人生のバランスをとる「かけ算」とはどんなものか、「図太さ×謙虚さ」を例にとって考えてみましょう。

会合などで会った人から「ご活躍ですね」と声をかけられたら、あなたはどんな反応をしますか?

私なら「ありがとうございます」と伝えます。間違っても「いえいえ、貧乏暇なしで」などとはいいません。

よけいな謙遜はしないほうがいいということです。潜在意識はその人の発した言葉を素直に受けて働き始めるのですから、この場合、「貧乏暇なし」の現実を引き寄せてしまいます。

幸せになるには図太さが必要です。「自分なんて無理」が「自分だからできる」に変わらなくては、願望がかなうことはありません。

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