イーロン・マスク氏とWeb3の「不思議」な関係とは Twitterの「青い鳥」アイコン変更でも一騒動

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青い鳥→柴犬への変更で急騰した暗号資産

Twitterの仕様変更といえば、ウェブ版Twitterの青い鳥のアイコンが2023年4月4日、突如、イーロン・マスク氏の「推し」の暗号資産「DogeCoin(ドージコイン)」のロゴである柴犬に変わった。それにより、低迷していたDogeCoinの価格が25~30%も急騰し、大きな話題となった。

ドージコインはビットコインと異なり、供給量の上限がなく、時間の経過とともに供給量が増えていくインフレ型の暗号資産であり、一般的には希少価値がないため、価値を向上させるのが難しい。そのため、インフレ型の暗号資産はバーン(焼却)などのデフレのメカニズムを取り入れていることが多い。たとえば、イーサリアム(ETH)はインフレ型ではあるが、潜在的にデフレになるようにバーンによって調整されている。しかし、ドージコインはこうしたバーンの仕組みが実装されていないため、インフレによって価格が低下するリスクが高く、トークノミクス(トークン経済)の設計セオリーから見ると、決して褒められたものではない。

しかし、イーロン・マスク氏のような著名人の絶大な支持があれば、そうしたものを超越してしまうこともあるといえよう。なお、アイコンが柴犬から再び青い鳥に戻ると、ドージコインの価格も7.3%急落した。Twitterだけでなく、ドージコインの価格もイーロン・マスク氏によって振り回されてしまっている。

城田 真琴 野村総合研究所 DX基盤事業本部 兼 デジタル社会研究室 プリンシパル・アナリスト

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しろた まこと / Makoto Shirota

2001年に野村総合研究所にキャリア入社後、一貫して先端ITが企業・社会に与えるインパクトを調査・研究している。総務省「スマート・クラウド研究会」技術WG委員、経済産業省「IT融合フォーラム」パーソナルデータWG委員、経産省・厚生労働省・文部科学省「IT人材需給調査」有識者委員会メンバー等などを歴任。NHK Eテレ「ITホワイトボックス」、BSテレ東「日経プラス10」などTV出演も多数。著書に『FinTechの衝撃』『クラウドの衝撃』 『エンベデッド・ファイナンスの衝撃』『決定版Web3』(いずれも東洋経済新報社)、『デス・バイ・アマゾン』(日本経済新聞社)などがある。

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