「イーロンマスクの乱」に悩めるツイッターの実像 業績不振で株主に翻弄され続けてきた経営陣
投資家から厳しい評価を受ける背景には、時価総額やユーザーの規模がほかの大手テック企業に見劣りすることがある。
アメリカの電気自動車メーカー・テスラのCEOで著名起業家のイーロン・マスク氏が、またしても大胆な行動に出た。
マスク氏はアメリカのSNS大手ツイッターに買収を提案した。現地時間4月13日に米証券取引委員会(SEC)に提出した資料で明らかになった。同氏はすでに9.1%分のツイッター株を取得済み。今回は4月1日の終値に38%のプレミアムを上乗せし、1株あたり54.20ドルで買収するとしており、全株式の取得には約400億ドル(約5兆円)が必要になるとみられる。
アメリカの経済誌『フォーブス』によれば、マスク氏の純資産は2700億ドル。ただ大半はテスラ、宇宙開発企業のスペースXなど保有株式の評価額で、買収資金をどう捻出するかは不透明だ。提出資料にも買収条件の1つとして「今後予測される資金調達の完了」が明記されている。
取締役就任で落ち着いたはずが
マスク氏は4月14日、カナダで開かれた講演イベント「TED」の檀上で、「理論上はお金を出せる状態にある」と語った。ツイッターが提案を拒否した場合の代案はあるかとの司会の問いには「ある」と答えつつ、詳細は明かしていない。
対するツイッターは4月15日、買収防衛策「ライツプラン」を導入すると発表。「ポイズンピル(毒薬条項)」とも呼ばれる手法で、既存株主に新株予約権を与えることで買収提案者の過半数の株式取得を困難にするもの。今回は、特定の勢力が15%以上の発行済み普通株式を取得した場合に発動するとしている。
マスク氏はツイッター株を今年1月から買い集め、4月上旬には約9%分を取得し筆頭株主となった。その直後、4月5日には同氏がツイッターの取締役に就くことが発表された。
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