中央集権から分散へ――。今、インターネットの世界で大きな秩序の変化が起きている。その中心にあるのが「ウェブ3.0」だ。
ホームページや電子メールなど、読み込むことだけができた(Readable)時代が「ウェブ1.0」。SNSやeコマースの口コミなどを通じて、ユーザーが情報発信者になれた(Writable)時代が「ウェブ2.0」。そして「ウェブ3.0」は、特定の管理者が存在せず、ユーザーがデータの所有権を持てる(Ownable)という特徴がある。
2000年代半ばに生まれたウェブ2.0は、ユーザーがネット上で自由に表現できることで情報の民主化を実現したと言われた。
しかし、実際はGAFAM(グーグル、アップル、フェイスブック<現メタ>、アマゾン、マイクロソフト)のようなプラットフォーマーがデータを独占。運営者のルールに個人が縛られるという結果に陥った。
例えば、SNSやYouTuberのアカウントで大量のフォロワーを抱えていたとしても、運営者の方針で利用が突如停止されれば逆らうことができない。
ウェブ3.0は、その点でウェブ2.0の真逆を行く。カギを握るのがブロックチェーン(分散型台帳)技術だ。
ブロックチェーン上に流通するビットコインなどのトークン(暗号資産の広義の呼称)は、GAFAMのようなプラットフォーマーを介さずに個人が直接、送信し合うことができる。ゲームアイテムやアート作品といったデジタルデータも、NFT(非代替性トークン)として自らが所有できる。
ブロックチェーンの「鎖国」を解消
ウェブ3.0の分野で起業する日本の若者も続々と生まれている。代表的な存在がステイク・テクノロジーズCEOの渡辺創太氏だ。
弱冠26歳で、「アスター・ネットワーク」という日本発のパブリックブロックチェーンを手がけている。ステイク・テクノロジーズは2019年1月に創業し、2020年10月からシンガポールに移転した。
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