業界大手のプリンスホテルは長年、ホテルの所有と運営を一体で進めてきた。だがコロナ禍を機に、シンガポールの政府系ファンド・GICと、西武グループの総合不動産会社に資産を売却、ホテル運営に特化し再スタートを切る。
“持たざる経営”にシフトする背景と、本格的にブランドを拡大する成長戦略について、プリンスホテルの小山正彦社長に聞いた。
──ホテル運営に特化する背景とは何ですか。
コロナ禍によって需要が瞬間蒸発する中、資産を持つリスクが顕在化したことが大きな要因だった。稼働率が落ち、売り上げが下がる中でも、社員数は多く、固定費は確実に出ていく。(オーナー側から委託料を受け取り運営する)運営受託に特化できれば、コストは減り、損益分岐点を引き下げた経営体質にできる。
スピード感を持った規模拡大も課題だった。2017年には中長期で国内外250拠点に拡大する目標を掲げていた。達成するにはホテル運営に特化し、持たざる経営に徹底的にシフトすることが重要だった。建物をリースする形でなく、運営受託を軸に拡大する点にはこだわっていきたい。
今後、31事業所はGIC、それ以外は総合不動産会社の西武リアルティソリューションズがオーナーになる。北海道・富良野や箱根、軽井沢といったリゾートと高輪・品川エリアは、西武グループで引き続き開発を進める方針だ。
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