イーロン・マスク氏とWeb3の「不思議」な関係とは Twitterの「青い鳥」アイコン変更でも一騒動

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

やや矛盾するようにも感じるが、ドーシー氏は以前から、「Twitterを中央集権的な企業として育ててしまったことが最大の後悔だ」と発言しており、Web3スタートアップの資本のあり方に意義を唱えつつも「分散」「非中央集権」というWeb3のアーキテクチャ自体には賛同しているように思える。

note、YouTubeの代替となる非中央集権的サービス

現在、SNSだけでなく、Web2.0時代を象徴する中央集権的なサービスに取って代わろうとするWeb3プロジェクトが続々と誕生している。たとえば、ブログプラットフォームの「Mirror」はブロックチェーン上に構築された分散型のブログプラットフォームである。従来のブログプラットフォームといえば、「note」や「medium」などが有名であるが、これらのプラットフォームは中央集権型のサービスである。非中央集権のプラットフォームを標榜するMirrorの場合、記事は分散型ストレージの「Arweave」に保存され、誰かが勝手に改変したり、持ち出したりすることはできない。コンテンツの所有権は記事を書いたユーザー自身が持ち、価格や配布数なども自由に設定できる。

Web2.0時代を象徴する動画配信サービスのYouTubeの代替としての非中央集権的な動画配信サービスも生まれている。YouTubeでは、非公開のアルゴリズムによって動画の人気が決められたり、不適切と判断された動画が突然削除されたり、最悪の場合はアカウントごと消されてしまうこともある。

これに対し、2020年12月に立ち上げられた「Odysee(オデッセイ)」は、ブロックチェーンをベースに構築されている分散型の動画配信プラットフォームである。ユーザーはまず、自分が所有しているPCなどのデバイスに専用のデスクトップアプリをインストールする。ユーザーが視聴する動画は端末へダウンロードされ、他のユーザーが視聴する際はP2P(ピア・ツー・ピア)方式で、このユーザーがダウンロードしたデータへアクセスすることによって動画を視聴できるようになっている。この機能によって複数のデバイスが連携して配信サーバーとして動作するため、YouTubeのような中央集権的なプラットフォームと異なり単一障害点がなくなる。

次ページドージコインの急騰落にもマスク氏の影
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事