思考力のある人が問題をすぐに解き始めないワケ よく起きる問題を解決する「4つの武器」

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新規事業のビジネスプランの内容は網羅的に検討できていればよいのではなく、そのプランを考えた時点で、「そのプランがうまくいく理由」が用意されていることが重要です。そうでなければ、単なる思いつきの域を出ません。

同じような新規事業を競合もすぐにまねできるのであれば、成功する可能性は下がります。「その新規事業プランは、本当に自社だからこそできることなのか、自社らしさがそこにあるのか」を丁寧に見ながら、新規事業のストーリーを作り上げていくのです。

問題解決は「問題の定義」から始まる

それでは、これらの4つの問題に、私たちはどのように取り組んでいけばよいのでしょうか。

問題解決は、「どんな問題に取り組むか」を定義することから始まります。これを「ステップ0(現状分析)」と呼んでいます。つまり、「取り組むべき問題が4つの問題のうちのどれか」を認識します。

ここでいう「問題」とは、あるべき姿(目標)と現状との差のことです。ですから、取り組むべき問題を定義するには、「現状はどうなのか」を分析し、その現状に対して「目標は何か」を明確にする必要があります。問題解決は「現状と目標(あるべき姿)」を認識することから始まる、と言い換えることもできます。

『会社の問題の9割は「4つの武器」で解決できる』(朝日新聞出版)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

その際に、忘れてはいけない点は、目標の先にある「目的」です。目標は「具体的に達成したい定量的なゴール」です。それに対して、目的とは「結果として、社会に対して提供したいこと」です。数値目標ばかりに目を向けるのではなく、「何のために問題解決に取り組むか」を考えることが重要です。

また、このステップ0は、じっくりと取り組むことが重要です。

研修の仕事やコンサルティングの現場で、思考力がすごい方とご一緒させていただくことがあります。そのような人たちはなかなか問題を解き始めません。「これが原因だよね」とか「こうすればよいでしょう」などとは口にせず、「そもそも、解くべき問題は何か? どういう種類の問題なのか? なぜ、その問題を解決したいのか?」をまずは丁寧に確認しているのです。

ステップ0を疎かにすると、その後のプロセスもうまくいきません。部下や後輩を指導する際にも、一度「取り組むべき問題」は何かを確認してから、その後のプロセスを進めてもらうと効果的です。

高松 康平 問題解決力 研修講師

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たかまつ こうへい / Kohei Takamatsu

株式会社スキルベース代表取締役。慶應義塾大学経済学部卒業後、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。その後、リクルート等を経てビジネス・ブレークスルーにて執行役員に。10年間にわたり問題解決力トレーニング講座責任者を務め、年間登壇数No.1の研修講師として活躍。現在は独立し、「考える力」の養成を中心にさまざまな教育コンテンツの企画開発から提供まで幅広く携わっている。時代に合わせたカリキュラム開発と分かりやすい指導が強み。著書に『筋の良い仮説を生む問題解決の「地図」と「武器」』(朝日新聞出版)、『会社の問題の9割は「4つの武器」で解決できる』(朝日新聞出版)がある。

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