思考力のある人が問題をすぐに解き始めないワケ よく起きる問題を解決する「4つの武器」

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3つ目の武器「仮説思考」

3つ目の問題は「事業の成長や収益性」です。

「1つの事業をいかに成長させるか、いかに収益性を高めるか」という問題です。特定の商品・サービスの成長や収益性なども、ここに含まれます。

そのときに必要となるのが【事業部長の視点】です。事業部長とは、1つの部門の責任者のことで、事業全体に責任を持ちます。問題が起きる原因が自分の担当領域にあるとは限らないため、たとえ、自分が事業部長でなくても、事業部長の視点を持つ必要があるのです。コンサルタントがクライアントの事業や製品・サービスについて考えるときも、この視点に立ちます。

事業部長の視点とは、1つの事業のビジネスの流れを1枚にまとめた俯瞰図のことです。世の中にはさまざまな会社や業界が存在しますが、ビジネスの流れには共通項が存在します。その共通項を知ることで、目の前で問題が起きた際に「その背景では、こういうことが起きているのではないか」と考えることができるのです。

それが【仮説思考】という武器になります。仮説思考を技術として体得すれば、自分が経験したことがない事業全体についても筋のいい仮説が出せるようになります。経験やセンスがないと筋のいい仮説は立てられないとあきらめる必要はまったくないのです。

新たな価値を創造するための視点と武器

4つ目の武器「ストーリー」

4つ目の問題は「新規事業の立ち上げ」です。

これは、これまでの3つの問題とは少し異なります。現実のビジネスでは、既存事業での成長では限界があるため、既存事業の問題解決を進めながら、新規事業に取り組むことが多くなります。発生した問題を解決するのではなく、新たな価値を創造することを目指すため、これは「価値創造型の問題解決」と言うこともできます。

こういった新規事業の考え方は、ほかの問題解決とまったく違いますが、ここではあえて同列で扱うことで、ほかの問題との違いを理解し、適切に考えられるようになることを狙っています。

ここで必要となるのが【新規事業部長の視点】です。3つ目の視点が「事業部長の視点」でしたが、今回は新規事業を担当する事業部長の視点です。

新規事業を創り出す際には、検討すべき要素をバランスよく考えるための視点が必要です。「誰に、どのような価値を提供し、どのようにマネタイズ(収益化)をするのか」という新規事業プランをバランスよく考えます。

その際に、必要となる武器が【ストーリー】です。ここでいうストーリーとは、「その新規事業がなぜうまくいくのか?」という理由が用意されている状態のことです。

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