「やせられない人」は腸内環境の重要さを知らない 腸の大きすぎる影響力を知らない人は損をする

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白米
日本人は白米をよく食べるのに、他国と比べて太りにくいといいます(写真:shige hattori/PIXTA)
コンビニやスーパーに並ぶヨーグルトや乳酸菌飲料にはよく、「内臓脂肪の蓄積を抑える」「脂肪対策に」などの機能性が表示されています。「腸にいい」とされている食品を摂取すると、なぜ体型にまで影響を与え得るのでしょうか。
腸と腸内細菌研究の第一人者の國澤純氏の新刊『9000人を調べて分かった腸のすごい世界』(日経BP)から一部抜粋・編集のうえ、「腸」という臓器の果たす役割の大きさと、人間と腸内細菌との共生のあり方、そして腸と腸内細菌を生かす生活のコツを解説します。

白米をたくさん食べる日本人に「肥満」が少ないワケ

2013年、日本食がユネスコ無形文化遺産に登録されました。その理由の一つに「健康的な食生活を支える栄養バランス」が挙げられていることもあって、「日本食は健康にいい」というイメージは広く定着しています。

しかし一方で、最近の「糖質オフダイエット」「炭水化物抜きダイエット」などでは、米をはじめとする炭水化物が敬遠されるなど、日本食には「健康的」というイメージとともに、「肥満の一因である炭水化物が多い」というイメージもまた根強いように思います。肥満は様々な病気を引き寄せることからも、日本食には2つの相反するイメージがある、といってよいでしょう。

この2つの異なるイメージの背景には、日本食そのものの大きな変化があります。一口に「日本食」といっても、その実態は時代とともに大きく変わってきました。例えば「国民栄養調査」で日本人のたんぱく質の摂取量の変遷を調べると、近年は、肉や魚の動物性たんぱく質の摂取量が、豆・豆腐や穀物由来の植物性たんぱく質の摂取量より上回った状態が続いています。

しかし、この傾向はごく最近のもので、さかのぼると、動物性たんぱく質の摂取量が植物性たんぱく質の摂取量を上回ったのは1979年。それ以前は植物性たんぱく質をより多くとっていました。

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