メルセデス・ベンツ「新GLC」にゆとりを感じる理由 人気SUV初のフルモデルチェンジ、2代目の進化

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インテリア
新型GLCのインテリア(写真:メルセデス・ベンツ日本)

しかし、決して鈍重になったのではない。たしかに車両重量は先代のほぼ同一グレードから70kg重くなっているが、エンジンスペックの紹介でもおわかりのとおりパワフル&トルクフルになっているので、むしろ活発に走る。さらにISGの電動モーターのアシストが加わるから、どんな道路状況でもアクセルを踏み込む開度は先代の10%減といった印象がある。

筆者が感じたゆったりとした走りとは、各要素の相乗効果で得られる。つまり前後ピッチングを抑え、鉛直方向のみの上下動きに集約させた疲れにくい乗り心地であったり、手を添えているだけで自ら高い直進安定性を誇るステア特性であったり、カーブでの俊敏すぎないボディの動きだったりする。

こうしたゆったり感の演出こそ新型GLC最大のチャームポイントだ。アクセルを踏む、ステアリングを切り込むといったドライバーの運転操作に対して、ほんのわずかな溜め(間合い)をもって反応する。しかし、その溜めがいつでもどんな操作でも一定なので、自ずと運転操作にゆとりが生まれる。最新のデジタル技術で往年のメルセデス・ベンツの良さを醸し出したかのようだ。

乗ってわかるリア・アクスルステアリングの意味

リアビュー
新型GLCのリアビュー(写真:メルセデス・ベンツ日本)

状況に応じて後輪を前輪と同じ、もしくは逆の方向に4.5度操舵するリア・アクスルステアリングの効果は大きかった。最小回転半径の大幅な減少(非装着車の5.5m→5.1m)だけでなく、カーブでの安定性にも大きく貢献するからだ。

先代から5㎜低くなった全高(1640㎜)だが、SUVの構造上、重心位置はセダンやステーションワゴンと比較すれば高くなる。当然、カーブでは路面の外乱や遠心力などから「曲がりにくいな」と感じるシーンが多くなる。

リア・アクスルステアリングでは、悪影響が出やすいこうした場面で、ステアリングの操舵量や操作速度、車速などにあわせて安定方向へと後輪が操舵されるため、エアサスペンション特有のグラッとくるようなカーブでのロールを感じることなくスッと走り抜ける。

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