電動モーターの定格出力(通常走行時の出力)は13.6PSにとどまるが、メルセデス・ベンツが「EQブースト」と呼ぶ一時的な追加アシスト領域では23PSまで電動モーターの出力を向上させる。最大トルクはいずれの状態でも205N・m。
電動化による燃費数値への貢献は大きく、先代モデル末期から約20%向上した18.0㎞/L(WLTC総合値/試乗したパッケージオプション装着車の場合で車両重量は2020kg)を記録する。ちなみに、ボディサイズが近いマツダ「CX-60」の直列6気筒3.3Lディーゼルターボ+マイルドハイブリッドモデルの4WDモデル(車両重量1940kg)は21.0㎞/Lだ。
試乗したのは「GLC220d 4MATIC(ISG搭載モデル)」で車両本体価格は820万円。試乗グレードは「リア・アクスルステアリング」や「エアサスペンション」「AMGのパッケージオプション」が加わり929万円。
今回導入された最初期モデルでは、このGLC220dのみの設定となる。本国では同ディーゼルエンジンの高出力版に加え、直列4気筒2.0Lガソリンターボ(特性の異なる2種類)、さらには同エンジンをPHEV化したモデルも用意される。
日本市場にどのモデルが追加されるのか日本法人からの発表はないが、世界的に人気の高いモデルだけに安定的な供給体制が整えば、これまでの流れ(先代はガソリンからスタートして、ディーゼルやPHEVを追加した)から考えて、追加モデルとして新しいパワートレーンが導入される可能性は高い。
Cクラスとは一味違う、SUVらしい走り
さて、2代目となる新型GLCの走りだが、これが良い意味で期待を裏切ってくれた。というのも外観や内装はベースである「Cクラス・セダン」(W206型)をうまく踏襲しているから、端的にCクラス・セダンで定評のあるスポーツ性能をSUVとしてアレンジしてきたのだろうと勝手に想像していたのだ。
しかし、一般道路から高速道路、そして山道とひとしきり試乗してみると、SUVがもっとも大切にしなければならない、ゆったりとした乗り味へと変わっている。ボディサイズこそ全長が50㎜、ホイールベースで15㎜大きくなっているものの、それよりもうんと大きくなったように、おおらかなのだ。
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