売上3.5倍に「すかいらーく」そば専門店の正体 埼玉県白岡市「ステーキガスト」からの業態転換
すかいらーくがそばというと何となく不思議な感じがするが、実は同グループの展開する和食業態「藍屋」「夢庵」では自家製の生そばを提供している。そのノウハウを新しいそば専門店にも生かしたわけだ。
その自慢のそばの味はいかがだろうか。
まずは「九条葱と牛肉のあんかけそば」(税込1050円)を試食してみる。
牛肉がたっぷりの九条葱とからんで、ボリュームがありながらさっぱりと食べられる。味つけもだしを生かしたちょうどよい濃さだ。
意外だったのが、そばとしてもう1品試食した「野菜マシモリ郎そば(そば倍盛)」(税込1000円)。倍盛がデフォルトというボリュームメニューで、キャベツやもやしなどの野菜、炙り焼き豚や味つけ玉子が載ったつけそばだ。普通ならラーメン屋のメニューに載っていそうな1品である。
「キャベツとそばは合わないのでは」と疑心暗鬼だったのだが、意外に、にんにくのきいたこってりめのたれをそばの味が爽やかに引き締めてくれている気がする。
しかしいずれも食べるまでに少し時間を要してしまったこともあって、残念ながらそば本来の香りやコシという面では今ひとつと感じた。
ただ、同じように感じた人が客の中にもいたらしい。
来月中をめどに二八そばに切り換える
すかいらーくグループで今回の新業態を開発した久保木稔氏の話では、目下、そばの改良を進めているところだという。
「八郎そばで提供しているそばはこれまで藍屋や夢庵で提供している生そばと同じだったが、このたび、そばをよりおいしくしてほしいというお客様の声が寄せられ、そばの改良を進めている。来月中をメドに二八そばに切り換えていく予定」(すかいらーくホールディングスマーケティング本部の久保木氏)とのことだ。
そば専門店を名乗るのであればそばに注力するのは当然だろう。なおこれにより八郎そばだけでなく、藍屋、夢庵のそばも改良される。グループ全体での品質がアップする仕組みだ。
実はこの、「同じ食材を複数のブランドでいかに提供するか」が、同グループの業態戦略に深くかかわってくる。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら