アメリカで物議を醸す「州境変更」という運動 近未来にありうるかもしれない第2の南北戦争
2021年1月、アメリカ、そして世界に衝撃を与えた「Qアノン」煽動による前代未聞の連邦議会襲撃事件。次期大統領選への出馬を表明しているトランプ氏の動向次第では、再びこのような事態を招くのか。さらには2度目の「南北戦争」を招いてしまうのか。
世界中で「内戦」が急増している現状とその原因、アメリカでも内戦が勃発する潜在性が高まっている状況について、アメリカを代表する政治学者が分析し警告した『アメリカは内戦に向かうのか』(バーバラ・F・ウォルター著)を、『アメリカ保守主義の思想史』などの著書でも知られる井上弘貴氏が読み解く。
アメリカは一線を越えたのか
「西洋の文明にとっての最大の脅威はロシアではない。それはおそらく他ならない、われわれのなかにいる、ひどい、アメリカを憎んでいる連中だ。その連中がわれわれの議員をやっている」
これは2023年3月16日、アメリカのトランプ前大統領がロシアとウクライナの戦争についての自分の政治的スタンスを述べたビデオレターのなかでの発言である。
トランプはこのビデオレターで、世界をロシアとの争いに引きずり込んでいるのは、アメリカの外交を牛耳っているエスタブリッシュメントたちであると強く批判した。
ウクライナへのアメリカの支援の是非をめぐっては、アメリカ国内でもさまざまに意見がわかれている。
トピックボードAD
有料会員限定記事
政治・経済の人気記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら