ワーク・エンゲイジメント--組織を元気にする“攻め”のメンタルヘルス対策とは

 -- 具体的に、どのような状態を指すのでしょうか。

 仕事に誇りややりがいを感じている「熱意」、仕事に熱心に取り組んでいる「没頭」、仕事から活力を得て活き活きしている「活力」--この三つの要因がそろっている状態を「ワーク・エンゲイジメントの高い状態」と定義します。図1の関連概念と比較すると、イメージがつかみやすいでしょう。対概念であるバーンアウトに陥ると、仕事への意欲や関心、自信を失って、疲弊しきってしまうのに対して、ワーク・エンゲイジメントの高い人材は活力にあふれ、積極的に仕事にかかわるという特徴があります。しかし仕事に熱心で、没頭している状態は、「ワーカホリズム」(仕事中毒)の人にも見受けられますね。ワーカホリズムは、ワーク・エンゲイジメントと似て非なるものなんです。

<図1:ワーク・エンゲイジメントと関連概念>


■ワーク・エンゲイジメントを高める「個人の資源」「組織/仕事の資源」とは

 -- ワーク・エンゲイジメントと、似て非なるワーカホリズムでは心理的なメカニズムが違うのですか。

 図1を見てください。見た目は同じように仕事熱心でも、なぜ熱心に取り組むのか、両者の理由(動機)を比べるとその違いは明らかです。ワーク・エンゲイジメントの高い人は、その仕事が「好きだから」「楽しいから」といった理由で前向きに取り組むのに対して、ワーカホリズム傾向の人は、仕事をしていないとどうにも落ち着かないため、しかたなく没頭していることがわかります。この心理的なメカニズムは、アルコール依存症やギャンブル依存症など、さまざまな依存症のメカニズムと共通するもので、心身の健康を害し、仕事・私生活への不満を助長するほか、パフォーマンスの低下も招きますから、現場の管理監督者や人事労務担当者には“見かけの熱心さ”に惑わされないよう注意してほしいですね。

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