「社員の意欲」が急低下する評価面談が生まれる訳 面談で上司が言ってはいけないNGワード

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直接的な引き金になったのは、マネジャー谷川の面談だったわけですが、谷川の言葉の中には“絶対に使ってはならないNGワード”が3つありました。

「がんばってくれていたみたい」

「昇給もベースアップもなしだ。みんな同じだから」

「粗利益までは把握できていなかった」

上司の言葉の何がダメだったのか

・「がんばってくれていたみたい」

とくに問題なのは“みたい”という言葉です。この言葉で、谷川は中村の仕事ぶりを具体的に把握していないことがはっきりします。被評価者は、「なんとなく、やっていたであろうという予測や一生懸命にやっているように感じた雰囲気などが根拠で評価が決められている」と判断します。

・「昇給もベースアップもなしだ。みんな同じだから」

評価は社員それぞれの仕事ぶりを判断するものですから、“みんな同じ”ということはありえません。たとえば、「今回は業績不振のため一律昇給はないが、来年度以降、昇給を行うときに今回の結果は反映する」あるいは「社長に掛け合う」などといった伝え方をとるべきでしょう。

・「粗利益までは把握できていなかった」

何が問題かは、もうおわかりでしょう。営業マネジャーが部下の業績数値を把握せずに評価するというのは論外でしょう。また、業績を理由に「A」評価以上としてはならないという会社の対処も、がんばった社員ほどモチベーションが削がれる結果につながります。

ここまでひどい状態でなくても、評価者である上司が部下の「仕事ぶりをきちんと見ていない」「あたりさわりのない差がつかない評価をする」「実績を把握していない」ことによるトラブルは、どんな会社でも起こりうるでしょう。

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