東京港で46位「日本の港湾」地位低下が激しい背景 コンテナ貨物取扱量は増加、でも世界順位は低迷

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日本の主要港の存在感が小さくなっている事情にはさまざまな背景がありますが、とくにアジア・欧州航路の場合、日本が中国や韓国の先に位置している地理的条件の問題があります。

2021年における日本と欧州の間のコンテナ貨物輸送量は往復で131.1万TEUと、アジア・欧州航路の5.3%にとどまっています。

シェアの大きくない貨物を運ぶために釜山や上海から日本まで往復することは、海運会社にとって取り難い選択です。運航にかかる日数を短くすることを通じた頻度の向上、輸送時間の短縮、航行距離の短縮による燃料消費量の削減などを目的として、日本への寄港を減らす傾向が続いているのです。

国交省が始めた「スーパー中枢港湾政策」

このような状況を受けて、日本でも地位向上に向けて対策がとられてきました。まず、国土交通省は2004年度から「スーパー中枢港湾政策」を開始しました。

目的は「コンテナターミナルのサービス水準の向上や港湾コストの低減を通じて基幹航路の寄港頻度を維持し、効率的な物流体系を構築することによって、産業の国際競争力の強化と国民生活の安定を図ること」(国土交通省「スーパー中枢港湾政策の総括と国際コンテナ戦略港湾の目指すべき姿」より)。

この政策のもとで、国際競争力のある港湾を選んで重点的に整備をすすめるべく、京浜港(東京・横浜)、阪神港(大阪・神戸)、伊勢湾(名古屋・四日市)の3港が選ばれました。

2005年には横浜港、伊勢湾、阪神港で同政策に則ったコンテナターミナルの供用が始まりました。しかし、投資が行われたいずれの港湾でも取扱量ランキングの順位低下が続きました。

次ページ2010年からは「国際コンテナ戦略港湾政策」が開始
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