「激務でも合コン」ギャル男上司の目から鱗な教え サステナブルな働き方をするには「休む勇気」を

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オフィスの床に段ボールを敷いたり、椅子を並べて仮眠をとる技術は、10年前のコンサルタントには基礎的なサバイバル術として普及していた。深夜、怪しげなエステ店でシャワーを浴び、仮眠してから仕事を再開するような人間も存在していたのである。

10年前のコンサルタントにとって、「休む」とは精根尽き果てて机で気絶している状態を示す言葉だった。

休めない理由はプロジェクトの繁忙期であったり、プロジェクトの人数不足であったりと複数の要因で構成されているのだが、まず自分が休んだ場合の影響を正確に把握し、それを説明する、ということが職歴の浅い社会人には難しい。

休むにもスキルがいる。休むことによる後続作業への影響とリスク、上司や同僚への説明という手間と負担を天秤にかけた時、働き続けたほうが、心理的な負担が少ないという状態が頻繁に発生してしまうからだ。

ギャル男のマネージャーがくれたヒント

一方で、体力そして忍耐力もまた有限なリソースだ。生身の人間である以上、不眠不休で働き続けることはできない。徹夜は3日が限界だろうし、3時間睡眠での労働を数カ月も続ければ心身に重篤な問題が発生する。持続可能な労働の主体として存在し続けるために、コンサルタントは自らの意思で休みを作り出す必要がある。

ここで、休み方の達人であった上司、西村について触れておきたい。かつて新卒の私とヤマウチが所属したチームの長であった西村は、ギャル男であり自他ともに認める女好きのプレイボーイであった。

同僚のコンサルタントが皆、寡黙に働き続け、コミュニケーションは仕事に関することのみであるのが普通であった職場で、西村は異色の存在だった。女性社員とすれ違う際は必ず声をかけ、彼女たちの外見の変化に目ざとく気づいては、褒めあげた。

人によってはセクハラになりかねない声掛けも、女性が不快にならない絶妙な言葉でコミュニケーションをとれていたのは、西村が天性の人たらしだったからだろう。

彼は金曜日の夜だけは合コンに参加するため必ず20時で仕事を切り上げ、オフィスから去っていった。

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